マッキンゼーで学んだプロのマインドセット 私が出会った魅力的な女性たち

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私が本当に驚き、そしてここで強調したいのは、価値あるアウトプットを出すことを徹底的に求められる知的体育会のような環境に身を置き、プロとしてのマインドセットが変わり、訓練を繰り返せば、人の生産性はこんなにも高められるのだ、ということです。

私がこうして曲がりなりにも、経営者のアドバイザー、コンサルタント、ファシリテーター、講演者、大学院教授など、経営チーム強化屋としての「いくつものわらじ」を履く仕事ができているのも、この頃、プロフェッショナルとしての基礎訓練を徹底的に鍛えていただいたおかげだと思っています。

限られた時間で挑戦できる課題の量も質も、体感でいうと3倍くらい向上したのではないかと思っています。また、自分の生産性を事前にある程度目算できるようになったというのも、非常に有効な武器ではないかと思います。

ビジネスの心肺機能を鍛える

この手の話をすると、必ず「それはマッキンゼーという場に身を置いたからできるようになったのでは」という反論が来そうです。もちろん、マッキンゼーでは、生産性高く成果を出すための頭や時間の使い方やノウハウが、日々磨かれながら蓄積されていますし、OJTの場に優れた指導者がいるのも事実です。

ただ、こうしたノウハウについては、安宅和人さんの『イシューからはじめよ』のようなわかりやすい名著が数々のマッキンゼー出身者によって出版され、“秘伝のタレ”はかなりのことが開示されているのではないかと思います。

加えて、生産性の高い働き方が求められるのは、今やコンサルタントなどのプロフェッショナルだけではありません。最近は事業会社でも、高い生産性が「評価の物差し」として使われ、プロとしてのマインドセットとスキルを持つ人材が輩出され始めています。

圧倒的に高い生産性は、意識の持ち方と現場仕事での適切かつ愚直な訓練によって、「誰にでも、今からでも、獲得可能だ」という証左であり、とても勇気づけられる話でもあると思います。

競争力を上げるための多様性推進が注目される動きの中、この「生産性重視」の傾向は今後、ますます加速されていくと考えられます。将来的に働く時間的制限が想定される人材(一般的には女性)の場合には、なおさら、今のうちからプロとしてのマインドセットを持ち、訓練と経験の場に身を置き、早め早めにビジネスの心肺機能を高めておく必要があるのではないか、と思う次第です。

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