天気予報は、なぜいつも外れる気がするのか 「降水確率0%=雨が降らない」ではなかった

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「念のため」に持ってきた傘が活躍することも多い(写真: anzphoto_Inc, / PIXTA)
「暑いですね」「寒いですね」とあいさつ代わりに口にする天気の話題。天気予報や天気のしくみを知っておくと、日常生活が便利になるだけでなく、いざというときに命を守る行動にもつながります。気象予報士の資格を持つサイエンスライター・今井明子が、天気の疑問にお答えします!

 

天気予報で雨マークがないのを信じて傘を持たずに外に出たら、ポツポツと雨が降ってきて、「天気予報が外れた!」と憤慨したことはありませんか? 人によっては、「降水確率0%」という予報だったのに、雨に降られた経験をしたことがあるかもしれません。

もちろんそれは、天気予報そのものが外れたのかもしれませんが、たとえ天気予報が当たっていても、私たちが天気予報のことをあまり知らないために、外れたと感じることも結構あるものです。

雨マークがないのに雨が降るカラクリ

たとえば、天気予報でいう「降水確率0%」とは、気象庁では「1mm以上の雨の降る確率が0%」と定義されています。1mmの雨というのは、降った雨がどこにも流れ去らずにそのまま溜まった場合の水の深さが1mmということです。でも、それを聞いても、果たしてどれくらいの雨なのかはピンとこないかもしれません。

実は、1mmの雨ともなると、傘がないと歩くのがつらいくらいの本降りの雨です。ポツポツとふる雨や霧雨などは1mm未満であることが多く、それだと「降水確率」の降水にはカウントされないのです。でも、撮影のためにカメラを持って外出したり、濡れるとシミになる着物を着ていたりする場合、たとえポツポツであっても雨が降っていたら結構なダメージになるものです。

また、0%の「0」という数字も、四捨五入した値なので、厳密にいうと降水確率は5%未満ということになり、まるっきり0%とは限らないのです。なので、どんよりと曇っていて、「なんだかあやしい…」と思うような空模様なら、たとえ降水確率が低くても雨具を用意しておいたほうが安心です。

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