10年ぶり最高益でも笑えぬ三菱自の事情

海外は好調だが、国内は品質問題や販売不振は続く

決算会見の場で、益子修社長の顔に明るさはなかった(撮影:今祥雄)

業績好調にもかかわらず、決算会見の場で益子修社長に笑顔が見られることはなかった。

三菱自動車は、4月25日、10年ぶりの過去最高純益更新となる2013年3月期決算を発表した。世界販売の9割を占める海外、とりわけ主力市場の東南アジアで販売台数を伸ばしたほか、期末にかけての急激な円安も利益を押し上げた。

ところが、国内は問題山積だ。会見の冒頭、益子社長は3月下旬から懸案となっているプラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」のリチウム電池不具合について「関係者に迷惑、心配をかけた」と謝罪。昨年12月に発覚した軽自動車のリコール対応が消極的とされた問題についても「国土交通省からの指摘を真摯に受け止める」と述べた。

軽自動車のリコール問題をめぐり、国交省は昨年末、三菱自に対し異例となる口頭での厳重注意を行い、その後、本社や全国の販売店に立ち入り検査を実施した。

4月中旬、国交省は法令違反が確認されず行政処分は科さないとの方針を示したが、不具合情報を把握していながら同省に「不具合ゼロ」と報告したり、販売店から不具合の情報を十分収集できなかったりした点など新たに問題点があったと指摘。三菱自に対し改善施策の策定・実施と報告を指示した。

「過去にもリコール関連で問題を起こしているだけに、今回の件でいいかげんウミを出し切ってほしい」(国交省担当者)

益子社長は、社長直轄の「改革促進委員会」を5月中に設置、品質に対する取り組みや企業風土などの改善に努めるとした。

00年、04年と2度のリコール隠しで窮地に陥った三菱自は、三菱グループを中心に04~06年にかけ優先株を引き受けてもらう形で支援を受け、再建に取り組んできた。三菱商事から送り込まれた益子社長の下、東南アジアを中心に新興国で成長を遂げ業績を回復してきた。

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