負けず嫌いのあまのじゃく、外食を変える!
新世代リーダー 花光雅丸 subLime(サブライム)代表

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サブライムの「イズム」とは?

花光はブログを情報の発信源として多用している。社員や委託先店舗の経営者の募集に始まり、M&A案件の持ち込み歓迎といった話まで書き込んだ。さらに自分の私生活として、時給5万円、月間の食費が200万円、年間で使えるおカネが6000万円といったことまで明らかにしている。背景には、数十万人が閲覧するブログは無料の広告媒体だという考えがある。

おカネのことを書けば「“そういう生活”がしたい人が来る。それを呼び込むための手段です」。外食産業で働く人には、いつかは自分の店を持ちたいという人が多い。サブライムに来る人の7~8割はそういった目標を持っている。

サブライムが彼らに何を与えられるかを考えれば、断る理由はない。花光はすべてを受け入れてきた。その代わり「言ったからには絶対に独立を目指せ」とハッパをかける。会社にぶら下がっていながらオールウィンという理想を達成することはありえない。それぞれがリスク取って、きちんと花光について行くことが前提だ。ダメだったら自然に消えて行く。それはそれでいいという。

花光が業界で名前を知られるようになったのは、頭のキレと回転の速さだ。そのバックグラウンドになっているのが膨大な読書である。雑誌や漫画を含めて、年間1500冊は読む。本だけで数えても500冊ほどだ。不動産や金融については本で勉強した。日本の人口がいよいよ減少に転じる中、1人当たりのGDPを高めるには生産性を上げるしかない。人口が1000万人になっても、生産性が10倍なって1人当たりの稼ぎも同じだけ増えれば、今のGDPは維持できると花光は考える。

ワタミにできるなら僕にもできる

サブライムの売上高はようやく約100億円を突破する見通しだ。当面の目標は30代のうちに1000億円の売り上げをたたき出すこと。「ワタミにできるなら僕にだってできる」と花光は語る。ワタミの連結売上高が1000億円を超えたのは2008年3月期、渡邉美樹が48歳のときだ。渡邉が31歳のころ、同社の売上高は21億円で、店舗数は25店舗、まだつぼ八のフランチャイジーにすぎなかった。

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