「サプライズ好き男」はブラック彼氏の典型だ ひょっとして「隠れモラハラ」かもしれない

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結婚式について相談していても、彼は自分の意見を通すばかりで、絶対に折れなかったそうです。意見が合わないと「結婚式は取りやめだ」と怒り、ウエディングドレス選びにも「オレがカネを払うんだよな?」と口を出す始末。T美さんはブルーな気持ちになっていきました。

サプライズとは、相手の都合を無視した独りよがりなもの。「これをしたら喜ぶだろう」という価値観の押し付けとも言える行為です。相手を喜ばせたい一心でするサプライズもありますが、記念日ごとにサプライズをしたがる男性には、むしろ、「喜ばせているオレが好き」という気持ちが根底にあります。

T美さんの彼は、週末の仕事帰りに「食事に行こう」と誘いました。車に乗ったところで、「連れて行きたいところがある」と言い、そのまま高速道路で夜のドライブ。ホテルの近くの海岸に車を停め、プロポーズしました。それを聞いた友人たちは「すごい!」「うらやましい!」「ロマンチック!」と、口々に言ったことでしょう。

でも、実際のT美さんは、プロポーズは嬉しくても宿泊の準備をしていなかったことや、翌日は友人との約束があったことで手放しでは喜べませんでした。ただ、彼の気持ちを思うと本音を言えずにいたのです。

サプライズ好きな男と恋に落ちる女性のタイプ

サプライズ好きな男と恋に落ちる女性の多くは、実は彼女のように、自己主張することの少ないおとなしいタイプ。彼のすることを愛情ととらえて素直に受け入れるので、モラハラ系とは相性がいいのです。サプライズ好きな彼は、相手の立場に立ってものを考えないので、当然「彼女は喜んでいる」と思い込みます。

しかし、交際が深まるにつれ、彼の自分本意の思い込みが、彼女を苦しめることになります。サプライズ好きとの結婚後、生活費をもらえないといった経済的なDVで悩む女性もいます。もう記念日のプレゼントはありません。基本的にモラハラ系は、自分の稼いだおカネは自分のものという感覚の持ち主。そして、サプライズに慣れた相手にそれ以上おカネをかけません。結局、彼のサプライズは、彼女への愛情表現ではなかったのです。その気配を早くに察知したことで、T美さんは婚約を解消することができました。

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では、このタイプの男と出会ったら、どんな対策を打てばよいのでしょうか?

サプライズ好きな男は、自分の思いついたプランを相手に「すごい!」「ステキ!」と、喜んで欲しいと思っています。それどころか「彼女がオレのプランに感動しないわけがない」と思っている節もあります。

もし、交際中のあなたがサプライズを喜ばなかったら、彼はどんな反応を見せるでしょうか? 怒ってしまい別れ話に発展するかもしれませんが、一度、思い切って試してみるのも本性を見極める方法です。また、あなたが欲しいものを積極的に彼に伝えたり、サプライズの結果、困ったことがあったら正直に気持ちを伝えて、彼に本当にあなたが喜ぶことは何かを教えることで前以上に仲が良くなるように努力してみましょう。

<対処法>
・サプライズに冷めた態度をしてみて、彼がどういう反応をするか見てみましょう。
・欲しいものを積極的に伝えて何が喜ぶことか教えてあげましょう。

 

堀井 亜生 堀井亜生法律事務所 弁護士

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ほりい あおい / Aoi Horii

1977年生。札幌市出身、中央大学法学部卒。一般民事、刑事、医療過誤、企業法務、著作権など幅広い分野を取り扱う。中でも離婚・男女問題の取り扱い実績が多く、この分野のスペシャリストとして活躍している。「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)のレギュラー出演を始め、「とくダネ!」、「ノンストップ!」、「笑っていいとも!」(いずれもフジテレビ系)などテレビ出演も多数。著書に『ブラック彼氏』(毎日新聞出版)。

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