年1140万円稼ぐ「29歳独身勤務医」の家計簿 大学病院の収入だけじゃ生きていけない?

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家具やインテリア自体にはそこまでこだわりはないが、より生活を豊かにしてくれる電子家電にはおカネを掛けるようにしている。

普段はひとりで食べるため、食費はあまり使わないよう(月に1.5万円前後)、コンビニ弁当や大学病院の食堂で済ませてしまう。ただ、疲れて家に帰ってきたときには「ツヤツヤふっくら炊き上がった白米が食べたい」と思うようで、最近パナソニック製の高級炊飯器「Wおどり炊き」を約5万円で購入した。

より快適な住まいや生活空間のためにはおカネを

仕事で病院施設内にいることが多いせいか、より快適な住まいや生活空間のためにはおカネを掛ける主義のようだ。

・衣服・美容費(5%)2万円

勤務中は白衣にYシャツ姿のため、洋服はあまり購入しない。基本的にTシャツ、ショートパンツスタイルが多く『ユニクロ』で買うことも。30~40代向けの大人カジュアルなファッション雑誌を参考にし、中目黒・代官山エリアのセレクトショップ巡りをするという。

よく行くセレクトショップで最初に思い浮かぶのは、代官山の『ハリウッドランチマーケット』。特にブランドにこだわりは無いと言いつつも、あくまで自然体なカジュアルスタイルが好きなようだ。

それに、個性とステータス感を出すには時計はやはり欠かせない存在。いい時計をひとつくらいは持っていたいと、約60万円で『ブライトリング』のアベンジャーシリーズを購入したが、滅多に身に着けないという。この日は『イッセイミヤケ』のWシリーズ SILAY005を身に着けていたが、オペがある日は使い勝手のいい『G-Shock』と使い分けている。

少し話は逸れるが、ブランド性と機能性にこだわった“お洒落”白衣にこだわる医師がいると教えてくれた。これまで聞いたことがなかったが、『BEAMS MEDICAL』という白衣のプロダクトラインがあり(現在、ECサイトでは販売を終了している)、他にも価格帯2万円前後のデザイナーズ白衣があるようだ。

佐々木さんの担当分野では、6年間の研修が終わると「専門医」資格の取得に向けた試験を受けられる。最初の2年間の研修期間を経ても一人前になれるわけではなく、新人のレッテルが外れるには長い道のりのようだ。

アルバイトで収入の大半を稼いでいる大学病院の勤務医だが、拘束時間も長く、一般企業のように有給休暇を自由に自己都合で取れる勤務体系ではない。家計簿を見ながらライフスタイルについて伺ったが、2年後の専門医試験に向け、現在は仕事中心の生活であるようだった。

代々、医師の家系で生まれ育ったわけではないという佐々木さんの家計簿からは、世間ズレした金銭感覚は特に感じられず、意外と地に足が着いた生活感が見えてきた。

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