30代女性が活躍する中堅上場企業トップ100 「CSR企業総覧」で読み解く有望企業<10>

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 30歳平均賃金は37万3491円と高い水準。最高、最低金額も開示していて、同い年でもかなり差があるが、成果をあげた社員により報いる方針であることが見て取れる。

女性管理職比率85.3%、同役員比率57.1%と幹部の女性登用も上場企業の中でトップクラス。働き方の多様化のため、短時間勤務の正社員である「ショートタイム正社員」や裁量労働制なども導入している。新卒・中途採用とも積極的でどちらかというとバリバリ働きたい人に向いている職場かもしれない。

同じく1位のハウス オブ ローゼは30代女性社員389人に対して30代男性社員21人。百貨店等でのボディケア品や化粧品の小売を行う同社は全社の従業員も1032人中、女性は954人と多数派。30代だけでなく40代も88.6%と高く、全世代で女性が活躍している。女性育児短時間勤務など女性が働きやすい環境の整備も進む。

3位は自然派化粧品メーカーのハーバー研究所の90.3%。女性168人に対して男性18人。女性管理職比率50%(女性10人)、女性部長比率50%(同2人)と管理職以上の比率も高い。

4位はインテリア雑貨・生活雑貨専門店を運営するパスポートで85.8%(女性103人)。育児や介護目的の時短勤務やシフト勤務内の半休制度や所定外労働をさせない制度で家庭との両立を支援している。

以下、5位ファンケル76.6%(同190人)、6位モロゾフ67.6%(同75人)、7位船井総研ホールディングス65.4%(同17人)、8位五洋インテックス62.5%(同10人)と続く。

異色のベンチャーが上位にランクイン

上位は女性向け化粧品や小売を中心にした会社が多い中、再生医療ベンチャーのジャパン・ティッシュ・エンジニアリング57.6%(同38人)が13位に入った。富士フイルムHDの連結子会社である同社は自家培養表皮・軟骨、角膜上皮を開発する研究開発型企業だ。

業績は2007年12月の上場後、2008年3月期から2016年3月期まで9期連続赤字だが、富士フイルムから社長を受け入れ改革を進めている。2017年3月期はこうした効果もあり初の黒字を見込む。再生医療という有望な分野で、将来性を見据えて職場を選ぶのも悪くはなさそうだ。

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