当然?逆風吹くトランプの「ゴルフビジネス」 所有コースが主要試合会場から外される動き

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 トランプ氏がゴルフを始めたのは大学時代で、ハンディキャップはシングルと言われている。ニューヨークの名門ウイングフットGCのメンバーでもある。トランプ氏のゴルフに関するウェブサイト「Trump Golf」をみると、トランプ氏がプレーしている動画が公開されているが、アイアンをダウンブローに打ち、なかなかの腕前をみせている。

トランプ氏は数多くの著作があるが、ゴルフに関しての記述が多い。大統領に立候補するにあたり自分の政策を表した著書『THE TRUMP』の中でも、ゴルフに関する記述が10カ所以上出てくる。

ビジネス書である『敗者復活』の中では、危機を乗り切るための10の提言中、一番目に「1.ゴルフをしろ」と述べている。大統領選挙の多忙な中、PRを兼ねてだろうが、自分のコースで開催されているトーナメントを訪れている。ゴルフビジネスに対する並々ならない思い入れを感じる。

大統領になったらゴルフ界は変わるのか

今後、トランプ氏の所有するゴルフコースでは2017年PGAシニア(トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ワシントンD.C)、全米女子オープン(トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ベッドミンスター)、2022年全米プロ(トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ベッドミンスター)のメジャーが予定されているが、PGAツアー、LPGA、PGAだけでなく、USGA(全米ゴルフ協会)も現在トランプ氏と距離を置こうとして、開催が危ぶまれている。

しかし、彼がもし大統領になったとしたら話はどうだろうか。トランプ氏自身が『トランプ思考』で「ゴルフに情熱がありビジネスプロセスの知識があれば万全である」と言っているように、ゴルフビジネスにここまで思い入れのある大統領が誕生すれば、ゴルフ界に追い風(嵐かもしれないが)となるのだろうか。米大統領選挙から目が離せない。

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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