千差万別の校風、正しく塾を選ぶには? ポーターの基本戦略から塾を分析

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それを補うのが、膨大な分析資料だ。中学入試全体概況の話にしても東京御三家+筑駒以外にも、駒場東邦や渋谷幕張など現在実績を伸ばしている学校の話など多岐にわたる。合格者の合格体験談は直接聞くことはできないのだが、膨大な合格者の体験記が冊子になっており、読み応えがある。

合格者の母数が非常に多いことから、各中学校の合格ライン分析は非常に精緻であり、こちらも大変参考になる。教科別の入試分析もとにかく細かい。講師によりプレゼンの巧拙はあるものの、資料は非常に精緻に分析されており、会場で理解するというよりは自宅へ戻り、資料をしっかり読み込み、分析を行うべきであるといえる。

現在の中学受験業界では、他を寄せ付けない実績を誇っており、規模も大きい。その分、講師との距離感は少々感じるが、これだけの実績を魅力に感じない親はいないだろう。

早稲田・慶應に強い早稲田アカデミー

そして最後に、早稲田アカデミー。SAPIXも合格実績を毎年伸ばしているが、早稲田アカデミーも毎年確実に実績を伸ばしている。6年生の在籍者数は約3900名。SAPIXには及ばないものの東京を代表する大規模塾である。そして、2013年度の実績は、筑波大学附属駒場19名、開成66名、麻布48名、武蔵64名、桜蔭51名、女子学院72名、雙葉32名の合格者を輩出している。SAPIXと比較すると合格者が少ないように感じるが、早稲田アカデミーの特徴は、その名のとおり「早稲田+慶應」合格者にある。早稲田附属系には256名の合格者を、慶應附属系には151名の合格者を輩出し、非常に強い。

今回ご紹介した3つの塾の中で、どの塾の入試報告会に最初に出席すべきかといえば、私は早稲田アカデミーだと思う。報告会が始まる前に、入試前後のドキュメンタリービデオが流れる。正月特訓から直前の特訓、入試当日。そして、合格発表。

子どもたちが精いっぱい頑張り、結果を出し、親と喜びを分かち合う。合格後、親に感謝の言葉を述べる子どもたち。観ているこちらもグッとくる。周囲からも鼻をすする音があちこちで聞こえる。で、このビデオが終わるや否や入試報告会が始まる。デザインされた演出だ。

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