自分の将来なんて考えるだけムダ

企業再生的キャリア観

戦略コンサルタントを経て、現在、会津のバス会社の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「バス会社の収益構造」といった堅い話から、 「どのようにドライバーのやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。
4月から新社会人となる新入社員たち。自分の今後のキャリアをどう考えているのか(撮影:尾形文繁)

先日のことですが、最近、会社を辞めた2人の人と話す機会がありました。それぞれ辞めた会社は違うのですが、辞めた理由の話になりました。

一人は「将来がわかりきっていたから辞めた」、そしてもう一人は「将来がわからないから辞めた」と。

まったく逆の事象に直面しても、その人の内面にある前提条件を踏まえて解釈すると、結論が同じになるときがあります(もちろんその逆もあります)。私も転職を何度か繰り返した身であり、あまり人のことをとやかく言える立場でもありませんが、今回は無手勝流ながら自らの経験を通じた職業観、キャリアについて考えてみたいと思います。

職業選択の意外なパターン

私が従事している企業再生というのは、いわゆる火事場や病院の緊急治療室と一緒で非日常の緊急事態です。当然、ずっと続くわけではありません。その期間は短ければ短いほどいいわけですが、(会社の業態やサイズにもよりますが)おおよそ半年から3年くらいではないかと思います。

私も会津に来て2年以上になりますが、知人や友人との話題の中で、今の仕事が終わったら何をするのかと聞かれることがたまにあります。私自身は今のことで精いっぱいで特に何も考えていないので、未定と答えます。

あるいは後輩や若い人と話をしていますと、(ごくまれにですが)企業再生やコンサルティングの仕事に興味があるので、その職業に就くにはどうしたらよいかと聞かれることがあります。私自身が特に深く考えて今の仕事についたわけではないので、気の利いたことを言えた試しがありません。

学生時代のことですが、テスト前に勉強をやったかと聞くと「全然やってない」と答えたのに、なぜだかいい点を取る嫌味な友達が周りに何人かいました。

私は準備をまじめにやって、その準備に比例した結果しか出たことがないので、そういう友達に嫉妬したり、「絶対嘘だろ」と不信を覚えたりしていましたが、その一方で職業選択においては、「特に将来のキャリアのことなど大して考えずに今の仕事につき、でも充実して取り組んでいる」という人が意外と多いように思います。

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