いよいよ「海外就職」の時代がやってくる アジアで続々と生まれる、新しい仕事

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若手こそ海外で仕事を探す、という逆転現象

このように、日本企業のグローバル化に伴い、海外で働く、海外とかかわる仕事が急速に増えています。

アジアで多くの新しいポジションが生まれてきている一方で、それらを埋める人材が圧倒的に足りません。そのため、企業は、採用の対象を日本人に限らずに、現地採用にシフトしています。これが意味するのは、日本企業に入社し、日本人であったとしても、日本で働くという前提は崩れていくということです。

日本企業はダメだと言われつつも、これからも業績を伸ばして生き残っていく日本企業はたくさん出てくるでしょう。しかし、それらの企業は、日本国内で業績を伸ばすのではなく、おそらくアジアで業績を伸ばしていくのだと思います。

そして、雇用も、アジアで創出される。つまり、それら業績絶好調の企業に就職した場合、下手をすると、最初に働く場所がアジアということになるのです。

その結果、新卒の就職のかたちも変わるかもしれません。国内の飽和している拠点に新人が入り込む余地がありませんから、むしろ新卒や若手こそ、海外の拠点で仕事を探すという、逆転現象が起こる可能性があるのです。

最初に海外で経験を積み、実績を上げた若い人が、日本の本社に登用される。日本国内で働くためには、海外で実績を上げる必要がある、という逆の発想の時代がやってくるかもしれません。

大石 哲之 作家・コンサルタント

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1975年生まれ。慶應義塾大学卒業後、外資系コンサルティングファーム、インターネットスタートアップ・エグゼクティブサーチファームの創業などを経て、現在は海外に拠点を移し、投資家としてプライベートな活動を行っている。著書に『3分でわかるロジカル・シンキングの基本』(日本実業出版社)、『過去問で鍛える地頭力』(東洋経済新報社)など20冊以上。

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森山 たつを 海外就職研究家

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森山たつを (@mota2008) 海外就職研究家 1976年生まれ。早稲田大学卒業後、日本オラクルに入社。製造業向けERPの技術営業に携わる。7年の勤務後、日産自動車に転職。グローバル物流管理システム構築プロジェクトで2年間、世界7カ国のスタッフと協業する。その後、1年間にわたる世界一周旅行(32カ国)、2年間の日系IT企業勤務、1カ月のフィリピン英語留学を経て、2011年12月よりアジア7カ国での就職活動を行う。現在は、海外就職に関する執筆、講演活動および海外視察・就活ツアーの企画・運営に携わる。著書に『アジア転職読本』(翔泳社)などがある。
http://morizo.asia
 

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