スバルのHV、燃費以上に求めたもの 水平対向エンジンと4WDの独自性がキモ

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遅ればせながら乗り込むスバルも、HVの成長をもくろむ。「将来的にはスバルXVシリーズの4割くらいをHVが占めるのではないか」。スバル商品企画部の竹内明英プロジェクトマネージャーはそろばんをはじく。まさに激戦となってきたHV市場。ただ、“最後発”となるスバルに勝算はあるのか。

ポイントは“スバルらしさ”にありそうだ。

トヨタから知見を学ぶが独自開発貫く

通常、HVとは燃費性能の高さが最大の魅力であり、武器である。だが、それを狙っていてはスバルに勝ち目はない。資本・業務提携先のトヨタとは、スバルから技術陣を出向させるなどでHVの知見を学んだものの、あくまで今回はスバルの独自開発を貫いたという。

事実、富士重の吉永泰之社長は今年3月、東洋経済の独占インタビューで「(スバルが投入を予定しているHVの特長は)トヨタのプリウスのように燃費には振っていない」と答えている。

では、“スバルらしさ”とは何か。それは、日系自動車メーカーで唯一のノウハウを持つ水平対向エンジンと、定評のある4輪駆動技術だ。通常のエンジンはシリンダーと呼ばれる機構が原則として縦や斜め方向に配置されているが、水平対向エンジンはその名のとおり横方向のシリンダーが配置されている。水平対向にするメリットは低重心化が可能になることだ。重心が低ければ車の走りが安定する。加えて、スバルの4輪駆動は雪道やダートなど悪路の走破性が高い。

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