結構ヤバい、過剰採用世代の「2020年問題」

オリンピックに浮かれていられない人たち

なおリクルートはまだ序の口で、大手流通、情報通信業界では4ケタを超える採用をしていました。同じような発想で景気好調=人手不足が続くと思っていたのでしょう。

ところが、この予測は外れたようです。日本経済は失われた10年に加えて、前述のような危機に遭遇して、成長しない時期が続きました。当然ながら人員は余剰になり、その後の新卒採用数は激減。会社の年齢ピラミッドはいびつな状況になっていきました。

そこで、人員の余剰感を解消するため、リストラの対象となったのが年長世代であり、かつボリュームゾーンであった1950年代生まれの社員たち。そして、再び、同じことを行わなければいけない時期が迫りつつあるかもしれません。

1950年代生まれに続いて、当方と(ほぼ)同世代の1960年代生まれの世代もボリュームゾーンになっています。リストラに遭わないまま、時間が経過してきましたが、採用された人数は1950年代とそう変わりません。この世代が2020年代には50歳代前後に達し、賃金水準のピークになると同時に、管理職への昇進年齢にもさしかかります。ところが、その世代を処遇するポストと報酬が「足りない」のです。

採用を抑える術を覚えた会社

さらにリーマンショックの時期にはほかの年に比べて採用数を最小限にとどめた会社が大半。バブル崩壊などの学習効果で採用を抑える術を覚えたのです。取材した地方銀行は通常年で新卒採用を100名行っていますが、

・バブル期は200名
・リーマンショック後は50名
・現在は150名

とピーク時と最低時期で4倍近く採用数に違いがあります。この状態で2020年を迎えると支店長になれない人材が半数以上を超えるそうです。また、職場にはそのベテランと、同じく比較的採用数の多い若手社員だけ。現場を引っ張って欲しい中堅クラスの人材が明らかに手薄な状態になってしまうとのこと。

では、ボリュームゾーンとなった当方の世代、リクルートではどうなっているか?世間の会社に比べて平均年齢が若く、平均勤続年数も短い会社なので、2020年問題をみなそれぞれのやり方でクリアしているようです。

かつて800人いた当方の同期社員はいまや20名前後しか残っていません。10年以上前からセカンドキャリアを考える機会を推奨。前向きな転職、起業のすすめについて、時間をかけて促してきました。“ボリュームゾーン対策”を社員が40歳になるまでの早い段階で行っていたのです。

ところが、世間の会社は50歳を迎えるタイミングで「会社卒業」への対応を迫られることになります。多くのリクルート社員たちのように、転職や起業を前向きにとらえることができるか?これはなかなか簡単ではないと思われます。

一方、ボリュームゾーン世代を定年まで雇用するとして、会社はポストと報酬を維持できるのか?会社は2020年までに新たなキャリアプランを提示する必要に迫られています。このキャリアプランをどのように提示できるのか。リストラとなってしまうのか?それとも前向きな施策が示せるのか?大いに注目したいところです。

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