受験前の「部活引退」がどうにも早すぎる 日本スポーツ界の巨大な損失?

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部活動をやめたところで、受験勉強がはかどるとは限らない(写真:m.Taira / PIXTA)

〇〇に集中したい。ひとつの目標を定めたときに、そういうことを言う人は少なくない。余計な時間が減れば、やりたいことがもっとできる、と。しかし、本当にそうなのだろうか。

ライターである筆者の「仕事」を例にしてみよう。締め切りに追われて、時間がない、と慌てて執筆。もう少し時間があれば、もっと良い原稿が書けたのに……と、毎回のように後悔している。だからといって、余裕があるときにすばらしいものが書けるわけではない。まだ大丈夫だなと、いう気持ちが「仕事効率」を悪くするのだ。その結果、たいして筆が進まないまま、締め切り間際にラストスパート。時間があっても、なくても、原稿のクオリティはたいして変わらない。

何事も計画どおりに進められる意志の強い人もいるが、ほとんどの方は筆者と同じタイプではないだろうか。今回は“この問題”を中高生の「部活動」と「受験勉強」の関係で考えてみたい。

部活は本当に勉強の妨げになっているのか

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スポーツ好きの中高生にとって、学校生活で大きなウエイトを占めているのが部活動だ。同時に、勉強も欠かすことはできない。部活の場合は自分から「やりたい」と思っている人が多く、勉強(自宅学習)は「やらなきゃいけない」という感覚の人がほとんどだと思う。

「やりたいこと(部活動)」をすると、「やらなきゃいけないこと(自宅学習)」にどんな影響をもたらすのか。筆者も経験しているが、運動部の場合、「部活で疲れてしまい、あまり勉強できなかった」と感じている人は多い。親の立場では、部活動を言い訳に勉強をしないわが子を見て、「勉強ができないなら、中途半端な部活なんてやめればいいのに」と内心思っている人もいるだろう。しかし、部活は本当に勉強の妨げになっているのか?

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