どうする?「取引先との飲み会」の支払い方法 相手が払った時、割り勘にしたい時の対処法

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中堅中小IT系企業の顧問や相談役などを兼任するコンサルタントの岡田圭一氏の場合、神田、神楽坂、大崎、田町、目黒、吉祥寺など客先から便利な場所に、イタリアン、居酒屋、中華それぞれ会計で融通が利く店を確保しているという。

「融通が利く店を用意しておけば、後から会社に請求書を回してもらうなど状況に応じた配慮をしてくれるので、帰り際に支払いをめぐってバタバタする必要はなくなります」(岡田氏)。

支払いに関するマイ・ルールを決めておく

会社、年齢、業種、取引先との関係などによって「飲食の支払い」のルールは変わってくるので、「これだ」という正解はない。しかし、行き当たりばったりでは、おごられるばっかりになってしまったり、さらには癒着につながるリスクもある。そこで多くの人は節度をもったつきあいになるように、自分なりのマイ・ルールを決めている。

もっともポピュラーなのは、自分が誘ったら自分が払い、相手から誘われたらご馳走になってもOKというもの。多くの人がそれをルールにしているので、あうんの呼吸で、「おごり・おごられ」がスムーズになる。

「ただし、子会社の社員と飲食する時には、基本的に割り勘にするのがマイ・ルール。おごることで、『やっぱり親会社は経費がたくさん使えるね』とか『給与が高くて余裕があるね』などと思われたらかえって仕事がやりにくくなりますからね」(食品メーカーFさん)。

「基本は割り勘だが、ご馳走になるときは漫然とした飲み会にしない。必ず相手に有用な情報をもっていくのがコンサルタントとしてのマイ・ルール」(岡田氏)。加えて二次会があれば二次会の費用を持ち、ない場合は相手の仕事の参考になる書籍を送ると決めているという。

このようにマイ・ルールを決めておけば、予想外のことが起こっても慌てずにすむ。まずは、自分なりのマイ・ルールを作るところから始めたい。

竹内 三保子 カデナクリエイト

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たけうち みほこ / Mihoko Takeuchi

明治学院大学経済学部卒業後、西武百貨店入社。紳士服飾部、特別顧客チームを経てフリーライターに。その後、編集プロダクション・カデナクリエイトを設立。流通業で培った顧客視点で執筆を行っている。共著に『図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書』『クイズ 商売脳の鍛え方』など。最新著に『課長・部長のための労務管理 問題解決の基本』(カデナクリエイト著・マイナビ出版)。

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