大和ハウス、コスモスイニシアをついに買収 首都圏強化でマンション4強に迫る

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――マンションブランドは統一するのか。

大和ハウス・大野社長 ブランドの統一は今のところ、まったく考えていない。スタート時はそれぞれの形でやっていく。コスモスイニシアの造るものを信頼している。

再建中は手掛けられなかった案件も強化へ

――あらためて、コスモスイニシアにとっての提携のメリットは何か。

コスモスイニシア・高木社長 財務面では、優先配当の伴う、普通株への転換権が付いた優先株を今回、一挙に消却できるということが、財務面での最大の改善となる。大和ハウスと提携するということが、銀行との交渉においても力を発揮したと認識している。今後、大和ハウスに180億円の融資保証枠を設定していただくということについても、従前とまったく違う財務状況が確立できるという点で、当社の大きなメリットとなる。

事業面では、中規模、大規模、あるいは今後ますますニーズのある古い団地の建て替え、駅前の再開発事業などは、昔はやっていたものの、(再建途上にあった)この3年半はなかなか単独で手掛けられなかった。こうした需要も、大和ハウスとご一緒することで手掛けていける。

リフォーム、リノベーションのニーズについてもますます高まってくる。当社の供給済み物件も修繕の時期を迎えてくる。提携することで伸ばしていける分野だと考えている。

中古住宅の流通がますます増えていくことは、誰がみても明快だ。中古住宅の流通においても大和ハウスと一緒に取り組むことで、膨らんでいくマーケットでのシェアを獲得することが十分考えられる。そうしたことが今回の資本業務提携の大きなメリットだ。
 

水落 隆博 東洋経済 記者

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みずおち たかひろ / Takahiro Mizuochi

地銀、ノンバンク、リース業界などを担当

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