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イノベーションの種が芽吹く瞬間 "Demo day" INNOVATE HACK KYUSHU 決勝戦

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9月6日、福岡市のJR九州ホールで、「INNOVATE HACK KYUSHU(イノベート・ハック 九州)」の決勝戦が行われた。1次・2次選考を勝ち抜いてきた国内外11チームによるプレゼンテーション(デモ)はいずれも高いレベルのものばかり。九州発の大きなイノベートの潮流が生まれたことを感じさせた。次のフェーズに向けて、さらに期待が高まる。

国内外90組のエントリーの中から
頂点を選ぶ決勝戦が行われる

「イノベート・ハック 九州」は、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が主催する、九州におけるオープン・イノベーションの創出を推進するプログラム「INNOVATE HUB KYUSHU(イノベート・ハブ 九州)」の中核となるハッカソン・イベントだ。

これまでに、事前説明会&アイデアソン(1次選考)、ハッカソン(2次選考)が行われてきた。九州だけでなく、全国、さらには海外から約90組ものエントリーがあり、そのうち44組が2次選考に進んだ。「DemoDay」(デモデー:決勝戦)にはそのうち11組が選ばれた。

決勝戦では、主催者の日本IBM、協賛社のソフトバンク、ゼンリン、西日本新聞社、フォレストホールディングス、ふくおかフィナンシャルグループ、安川電機などから10人の審査員および、会場に集まった多くの聴衆を前にピッチを行う。

ピッチの終了後には審査員との質疑応答が行われたほか、スペシャルサポーターがテレビのオーディション番組さながら手元の札を挙げて、コラボレーション希望の意思表示をするといったコーナーも設けられた。

会場の観客は、スマートフォンなどを利用して、気に入ったプレゼンテーションに対して投票ができる。また、会場の様子はインターネットの動画やSNSを通じて中継された。

決勝に残った11組は、これまでの選考を勝ち抜いてきただけに、それぞれ斬新な優れたアイデアで会場をうならせた。トークも巧みで、審査員や観客を爆笑させるチームもあった。

以下に、各チームのデモの概要をまとめておこう。

最優秀賞には『お手伝い預金』
事業化に向けた支援がスタート

上記の中から、最優秀賞、優秀賞、ソフトバンク賞、「まち・くらし/観光・エンタメ・スポーツ」、「ヘルスケア」、「ロボティクス」のテーマごとのテーマ賞、特別賞が贈られた。

栄えある第1回の最優秀賞に選ばれたのはチーム「UMYAH(うみゃー)」の『お手伝い預金』-Watsonが実現する新しいお手伝いの形-だ。同チームは、まち・くらし/観光・エンタメ・スポーツ賞、特別賞(Tech in Asia賞)も同時に受賞した。

最終優秀賞が日本IBMの武藤専務執行役員から贈られた。

このデモは、子どものお手伝いをトリガーに、親子間送金を自動で行うサービスである。具体的には、子どもがお手伝いをし、スマートフォンに話しかけると、IBM Watsonがそれを認識するとともに、市場の相場などを参考にその対価を決める。そして、その内容を親のLINEに送信し、親が承認すると、IBM Fintech APIを通じて、口座振替が行われる。

このサービスを利用することで、親子で楽しみながらお手伝いを習慣化することができる。特筆すべきは、銀行側にとっては、より生活に密着したサービスを提供することで他行との差別化や、次世代の顧客(子ども世代)へのアプローチが実現することだ。さらに、親子間だけでなく、孫と祖父母などの間でのニーズもありそうだ。

審査では「新しい技術を使いながら、地に足のついた末永いサービスの創出が期待できる」と評価された。さっそく、最優秀賞の副賞として、事業化のためのインキュベーション・プログラムおよびメディア露出への最大化が行われる予定だ。

優秀賞には、チーム「Nishida Lab.」の“テクノロジーではたらくしくみ”と、「Chronostasis」の“Chronostasis Platform”の2チームが選ばれた。Nishida Lab.はロボティクス賞も同時に受賞している。

Nishida Lab.のデモでは、インテリジェント産業ロボットの実用化に課題となるAI認識をHI(Human Intelligence:人の知能)で代替することにより学習データを蓄積するという、AIとHIの融合が大きな可能性があるとされた。

「Chronostasis」はデモの内容もさることながら、チーム全員が高校生であり、「若者から風を起こしたい」というメッセージが会場を大いに沸かせ、高校生とは思えない英語力も披露した。

決勝戦に残った11チームの概要と、当日の各賞の結果は以下の通り。
(複数の賞の同時受賞あり)。

《決勝戦"11チーム"のサービス概要》

 
各賞受賞一覧
最優秀賞 ・UMYAH
優秀賞 ・Nishida Lab.
・Chronostasis
ソフトバンク賞 ・セーフマスター
・メディアシステム
まち・くらし/
観光・エンタメ・スポーツ賞
・Japan QIK
・AO(アオ)
・UMYAH
ヘルスケア賞 ・セーフマスター
ロボティクス賞 ・Nishida Lab.
特別賞(福岡市/FDC賞) ・ボウサイワトソン
特別賞(Tech in Asia賞) ・UMYAH
特別賞(Ruby賞) ・テレポーターズ

最優秀賞を受賞したUMYAHのメンバーは「地方からでも自分のアイデアを発表する場ができた。イベントが2回、第3回に続くために、きっちりサービス化して結果を残したい」と語った。その言葉どおり、事業化に向けた支援もスタートする。今後が大いに楽しみだ。

最終決戦に参加した他のチームも提案のレベルが高く、「イノベート・ハック 九州」の可能性の大きさを示した。「IBM Watson API」をはじめ、協賛企業から提供されるテーマに応じたデータやAPIを利用したアイデア、さらに、九州に縁のある仕掛けも目立つイベントとなった

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