続・英語下手が英語圏で勝ち抜く策 MITの試行錯誤で見つけた、英語力の磨き方(下)

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5. たくさん聴き、読む

名曲を聴かずして名作曲家になった人がいるだろうか。

名試合を見ずして名選手になった人がいるだろうか。

名演説を聞かずして話術に長じることができるだろうか。

名作を読まずして文章力をつけることができるだろうか。

僕が最後に説きたい、最も大事な「弱者の兵法」は、手本をたくさん聴き、読むことだ。毎日コツコツと継続することが何よりも大事だ。何も目新しさのない、古今東西で言われ続けてきたことだ。大事だからこそ、言われ続けてきたのだ。

苦労せずとも英語を習得できる、などとうそぶく本が日本の書店に並ぶのを見るにつけ、僕は辟易とする。断言する。楽な道など決して存在しない。毎日たった15分の練習を2週間続けるだけで、素人が突然バイオリンを上手に弾けるようになったり、野球が上達したりするだろうか。話すことだって、書くことだって、同じである。

アメリカ人は学校で必ずキング牧師やケネディ大統領の名演説を聴く。シェークスピアやディケンズの名作を読む。前回の記事に書いたように、大学では恐ろしい量の読書課題を与えられる。日本人はただでさえ英語が下手なうえに、英語の手本に触れる機会に乏しいのだから、意図的にたくさん聴き、読む努力を継続しなくてはならない。

その点において、インターネットが普及した時代に生まれたわれわれは恵まれている。キング、ケネディ、オバマなどの名演説はすべてYoutubeで見ることができる。Tedにも良質なプレゼンテーションが多く公開されている。Kindleを使えば洋書を安く簡単に手に入れることができる。これらを利用しない手はない。

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