東京ディズニー「30周年」の見どころは パレード一新、アトラクションも新開業

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施設の入り口付近ではTDRのスタッフが、集まってくるゲストたちに、「本日はプレスの方しかお入りいただけません」と声を枯らしていた(写真)。アトラクション施設の内部に入り、起伏のある長い長いコンコースを通り抜けると、搭乗口が見えてくる。

そもそもスター・ツアーズのストーリーは、スター・ツアーズ社の主催する宇宙旅行に参加したゲストが、人気映画「スター・ウォーズ」の帝国軍と反乱軍との戦いに巻き込まれ、宇宙空間やさまざまな惑星を縦横無尽に飛び回るというもの。

ストーリーの先を読めない新アトラクション、人気は

ゲストは実際の乗り物で動き回るわけではないが、宇宙空間や地上、海中などを高速で飛び回る映像に連動して、座席が傾いたり震動したりするため、あたかも宇宙船で飛び回っているように感じられるのがミソだ。

こうしたストーリー自体は旧スター・ツアーズのコンセプトを踏襲しているが、大きく異なるのは「スクリーンに映し出される映像を3D(立体映像)にしたことと、50通り以上の組み合わせでストーリーが展開すること」(オリエンタルランド)という。

3Dメガネを搭乗口で受け取って着用(写真)する必要はあるものの、立体映像にしたことでリアル感がアップ。また、50通りもストーリーの組み合わせがあることから、何度か搭乗したぐらいでは、ストーリーの先は読めそうにない。年間パスポートレベルのコアなディズニーファンでも、TDLに入場するたびに搭乗したくなるかもしれない。

同じく3D映像を使ったTDSの「トイ・ストーリー・マニア!」は、開業から10カ月近くを経てもいまだに、「日によっては2~3時間待ちもある」(同社)ほどの人気ぶり。TDLに比べ入場者数では後塵を拝しているTDSの底上げに貢献している。「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」も、TDLにとって、しばらくの間はキラーコンテンツになりそうだ。

TDRの30周年イベント「ザ・ハピネス・イヤー」は、4月15日から2014年3月20日まで、340日間にわたって開催される予定。この3月に終わった前2012年度には、TDR(2パーク合計)の入場者数は2750万人と、過去最高だった25周年の08年度2722万人を4年ぶりに更新した。新パレードや新アトラクションの効果もあり、30周年の今13年度も入場者数の連続更新は濃厚とみられる。

(撮影:尾形 文繁)
 

大滝 俊一 東洋経済 記者

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おおたき しゅんいち / Shunichi Otaki

ここ数年はレジャー、スポーツ、紙パルプ、食品、新興市場銘柄などを担当。長野県長野高校、慶応大学法学部卒業。1987年東洋経済新報社入社。リーマンショック時に『株価四季報』編集長、東日本大震災時に『週刊東洋経済』編集長を務め、新「東洋経済オンライン」発足時は企業記事の編集・配信に従事。2017年4月に総務局へ異動し、四半世紀ぶりに記者・編集者としての仕事から解放された

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