英語を読めるだけでは仕事にならない ビジネスパーソンの英語学習法(その5)

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資料を音読する習慣をつけよ

Part 4に向けての対策は、スケジュールや会議などの英文資料を数多く読んでいくことです。たとえばインターネットで「seminar」「schedule」などと検索すれば、そういった資料はたくさん見つかるはずです。このとき、ただ読むだけでなく、要約するクセをつけてください。資料を見ながら時間や期間、費用などを読み取って要約していきます。この作業は、実際の仕事にも生きるので一石二鳥です。

私がTOEICスピーキングテストのPart 4を使って企業の英語研修をする場合にはこのようにしています。

スピーキング研修では、生徒同士を2人1組にしたペアワークを基本にします。このパートでは、模範解答の披露はしません。なぜなら、いろいろな答え方が考えられるほかのパートとは違い、Part 4には資料の中に、決まった答えがあるからです。

また、本番では設問は3つだけですが、資料からはいろいろなことを質問することが可能なので、私は設問を10問設けるようにしています。

ペアワークでは、設問を読む人と、資料を見ながら設問に答える人の両方を交互にやってもらうようにします。この時、私が15秒、30秒などと秒数を計り、制限時間内に答えられるように意識させます。

研修では講師よりも生徒の口が動くべき

これが終わったところで、初めて私が模範解答を発表します。その後、再びペアワークをもう1度行い、正しい答えを口にできるようにさせます。

最後に何人かに前に出てきてもらい、発表実演をしてもらいます。発表が終わったらみんなで拍手を贈り、場を盛り上げます。

これだと、研修はほとんど生徒が英語を口にする時間です。自習の際にも同じような勉強法を取り入れるよう伝えておけば音読は習慣化するはずですから、 アウトプットの量が一気に増えます。

次回は、TOEICスピーキングテストの中でも最も難しいPart 5とPart6を使った英語学習法をご紹介します。お楽しみに。

安河内 哲也 東進ハイスクール・東進ビジネススクール講師

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やすこうち・てつや / Tetsuya Yasukochi

1967年福岡県生まれ。上智大学卒。予備校講師、教育関連機関での講演などで実用英語教育普及に従事。著書に『子どもの英語力がグンと伸びる最強の学習』(扶桑社BOOKS)など。

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