映画「怒り」には、原作者の吉田修一も驚いた

「息継ぎなしで観せられたようで圧倒された」

9月17日より公開の映画『怒り』は、2010年公開の映画『悪人』のスタッフ・キャストが結集 ©2016映画「怒り」製作委員会

日本アカデミー賞をはじめ、その年の国内の映画賞を総ナメにした『悪人』から6年。9月17日より全国公開されている映画『怒り』で、『悪人』と同じ、吉田修一原作×李相日監督のタッグが再び実現した。

ある夏の日、八王子で起こった夫婦殺人事件の現場には「怒」の血文字が残されていた。犯人は逃亡し、顔を整形してどこかに身を隠しているという。そんな痛ましい事件から一年の時を経て、千葉と東京と沖縄に、素性がわからない3人の男が現れる。愛した人は、殺人犯なのか――。心の中に疑惑がふくらみながらも、愛する人を信じることができるのか。そんな問いかけを投げかけるヒューマンミステリーに、渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野 剛、広瀬すず、宮﨑あおい、妻夫木聡という豪華キャストが集結した。

重厚な人間ドラマを生み出した原作者の吉田修一氏の作品への思いと、映画化された自分の作品をどう観たのかを聞いた。

『悪人』の方が良かったと言われたくない

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――今回の映画をご覧になっていかがでしたか。

圧倒されましたね。原作は上下巻で、いろいろなものが詰まった長い話だが、それをぎゅっと凝縮していただいた。映画の上映時間が2時間ちょっと、本当に息継ぎなしで観せられたような気分です。いろいろな意味で圧倒されたというのが最初の感想でしたね。

――プロデューサーの川村元気さんや李相日監督、俳優の妻夫木聡さんたち、チーム『悪人』ともいうべき人たちへの信頼感も大きいのでは?

信頼はもちろんありましたね。ただ、信頼している分だけ、逆にハードルが高くなってしまいます。やはり『悪人』のチームが再び集結、ということになったからには、「『悪人』の方が良かった」とは言われたくないわけですから。当然、自分たちのハードルが上がることはみんな理解していたと思います。

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