東大とは違う、米国流リベラルアーツの衝撃 留学して体感した、アメリカの大学文化

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留学生のみのオリエンテーションの後、アメリカ人の学生も含めたFreshmanオリエンテーションが行われます。Freshmanオリエンテーションは3日間あり、近くの山に泊まり込みでハイキングにいくWOOLFや、ウィリアムズタウンの周りをバスで周りながら(といっても山しかないのですが)ディスカッションを行う“Where am I?”など、さまざまなアクティビティからひとつ選びます。

WOOLF, Where am I? はタイトルが斬新すぎて何をするのかよくわからず、説明している文章の意味も、恥ずかしながらわからなかったので、Exploring the Artsというタイトル的に安全そうなものを選びました。

グループワークで実感したアメリカ文化

Exploring the Artsでは、さまざまな美術館に行ったり、アフリカンダンスを習ったり、ドラムをたたいてみたりして、最後に仕上げとして、Narrative Spacesとよばれるプロジェクトを行いました。

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写真1)私の作ったBOX

Narrative Spaceは、まず、各個人が2枚、人と場所を含んだ写真を撮ります。それを自由な形にはさみで切り取り、自分でデコレーションしたボックスに張り付けます(写真1)。

各個人の作品が完成した後、6人のグループになり、ボックス同士の関連性を考えながら、ひとつの大きな作品を作り上げましょう、というものでした(写真2)。

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写真2)BOX同士の関連性

私のグループのナイルが「循環性がほしい」、ジュリアが「このボックスは私の子供時代をイメージして作った」と言っていたので、思い切って「時計のように並べてみたらどうかな。ジュリアのBoxを0時とか1時にセットして、時間が経つに連れて人生を表すようにしたらどうか」とオドオドと言ってみたら、「いいね!」とほかのグループメンバーが賛同してくれました。

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写真3)グループの完成品

今度はどのボックスをどう並べるといいかを皆で議論し合いました。

「8時31分は、われわれがこのキャンパスについた8月31日を表しているんだ」

「時計の針はあえて白にすることで見る人の想像力に任せるよ、というメッセージを伝えるんだ」などいろいろな意見が飛び交い、最終的に、写真3のようなセッティングになりました。

この活動を通して、アメリカではまず自分独自の意見を持つこと、そしてその個性を尊重したうえで、ディスカッションを通してよりよいものを作り上げよう、という精神があるのだなということを学びました。

こうしてアメリカ文化に少し触れることができたオリエンテーションが終わり、ついに授業開始です。

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