「核保有国」に近づきつつある北朝鮮の思惑

核実験をプロパガンダと見くびることなかれ

北朝鮮は9日、5回目となる核実験を実施した。韓国でニュース番組に見入る家電量販店の店員(写真:Kim Hong-Ji/ロイター)

ここのところ続いている、北朝鮮による核実験やミサイル発射実験は、若くて軽率な指導者、金正恩の挑発的行動によるものだと解釈されがちだ。実際、9月5日には大胆にも中国がホストを務める杭州G20サミットに合わせて弾道ミサイルを3発発射。9日に行った5回目となる核実験は、大統領選中の米国に対して、核兵器を有する強国としての地位を見せ付ける思惑があったようにも見える。

韓国とその同盟国の安全保障を脅かす

しかし、北朝鮮の実験には戦略的かつ軍事的論理がある。短期的なプロパガンダや体制の不安定さを映す行動と受け止めるのは早計だ。実際、北朝鮮の行動は一貫している。一連の実験は、現体制を維持すること、そして、韓国とその同盟国の安全保障を脅かすことを目的に、(目的地に)到達可能な核兵器を保有するという長期的計画に基づいている。

北朝鮮による実験のペースは、金正恩体制下で著しく加速している。父である金正日が在任中に16発のミサイル発射実験と2回の核実験を実施したのに対して、金正恩はこの4年間で35発ものミサイル発射実験と3回の核実験を行った。しかも今年だけで、初のKN-11潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を成功させたほか、中距離弾道ミサイル「ノドン」の3発同時発射、ソ連のR-27ミサイルの設計から派生した新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」数発を含む、22発のミサイル発射実験を行っているのだ。

こうして見るとミサイル発射実験の目的は、北朝鮮の核爆弾が、水中および移動型発射が可能であること、また、限られたミサイル防衛システムにも対抗できることを示すことにある。北朝鮮はまた、先制攻撃に対してそれなりに対抗力のある固体燃料ロケットの実験も実施。小型核弾頭搭載ミサイルを1300キロメートルから6000キロメールまで発射できる能力を見せつけた。

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