20代で獲得すべきスキル、捨てるべきスキル どの業界でも必要不可欠な2つのスキル

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

「知らない」ことはささいなこと

ビジネスの世界では、物事を知っているかどうかは、大した話ではない。知らなかったら覚えれば終わり。研究職などでないかぎり、大半がキャッチアップ可能な知識ばかりだ。質問に答えることで評価されるという学生時代は、暗記量がある人が勝つかもしれない。だが、社会人では、考える思考プロセスが大事だ。むしろそれがすべてと言ってもよい。

だが、学生からみると、ある知識を知っているとか、知らないとか、マーケットに詳しいとか、そういうものがスキルとして輝いて見えがちだ。本当は、そんなものは書店で関連の本を読めば誰でもわかるし、仕事をすれば3カ月で身につく。だが、先に挙げた普遍的な2つのスキルは、組織に入って初めて本当に身につくスキルだ。

ロジカルに考えるというのは、ビジネスの中で実践的に身につけるしかない。議論をしたり考えたりする集団に、2年ほど身を置かないとわからない。マネジメントもそう。若くして責任を与えられて、徒弟的に学ぶのが大事なのだ。間違えてほしくないのは、管理職だから、皆が身につけているわけではない。意識的に身につけるよう努力しなければならない。

これから会社を選ぶときにも、そういう制度がある組織を選ぶことも大事だ。たとえば、単純に特定の商品をアルバイト的にひたすら売り続けても、本当のキャリアアップには絶対になりえない。

――すみません。アクセンチュアのような優秀な人材が集まる企業に、こんな質問をするのもどうかと思いますが、そもそも、働きたくないと思っている若者も大勢いるようです。

 え……。う~ん。実際に会ったことないな……。本当にいるのかな。

――ええ……。当然アクセンチュアの塾に来るような層ではありませんが、確実にいるんです。どうしたらいいですか。

実は、働きたくない20代の多くは、ただ社会を知らないまま頭の中でイメージを作り上げているケースが多い。本当の社会人を知るだけで、考え方が変わる子も多いだろう。もうひとつは、大学があまりにも企業との関係が薄いという原因もある。企業と大学はもっとかかわる必要がある。そうすれば、もっと社会に出たときのことをイメージできるし、求められることがわかれば、大学での過ごし方も変わってくる。

次ページ変わりゆくリーダー像
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT