親と同居していなくても、相続税は減らせる 昼休みに読む、サラリーマン節税の話

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その主な条件は、1)亡くなった親に配偶者がいないこと、2)親が亡くなった時に、親と同居していた法定相続人がいないこと、3)親が亡くなる3年前以降持ち家に居住したことがないことです。

それでは、冒頭の小木さん夫婦のケースにあてはめて考えてみましょう。

小木さん夫婦の母親である森山良子さんには、現在配偶者がいませんので、上記の条件1)は満たせそうです。

また、森山良子さんの長男で、同じくシンガーソングライターである森山直太郎さんは、現在、母親とは別居中のようですので、条件2)も満たせそうです。

そして、もし小木さん夫婦が持ち家ではなく賃貸住宅に住んでいるのであれば、条件3)も満たすことになりますので、将来、母親の土地を相続する際に特例を受けられます。

持ち家がある場合の裏ワザ

すでに持ち家を持っている方でも、持ち家がない場合の特例を使える裏ワザがありますので、最後にこっそり教えましょう。

その裏ワザとは、自分の持ち家を賃貸に出してしまうというものです。

自分達は別の賃貸物件に住むことで、先ほどの条件3)「持ち家に3年以上居住したことがない」を、将来の相続の時までに満たしてしまうわけです。

小澤 善哉 公認会計士・税理士

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おざわ ぜんや

おざわ ぜんや 公認会計士・税理士。1990年東京大学経済学部卒業。太田昭和監査法人(現、新日本有限責任監査法人)を経て1997年に小澤公認会計士事務所を開設。著書に『企業にこっそり教えるだまされないためのIFRS対策の本』『不動産保有の意味を問う』(共著、2008年社団法人、「不動産協会優秀著作奨励賞」受賞)、『図解 IFRSの不動産会計』』(以上、いずれも東洋経済新報社)、『株式投資最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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