同性愛者は、いまだに「精神障害」「疾患」なのか 教科書に異議、中国の学生が教育省を提訴

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9月12日、同性愛者の中国人学生が、同性愛を精神障害と記述する教科書をめぐり教育省を相手取って訴訟を起こした。写真は提訴した女子学生(左から2番目)(2016年 ロイター/DAMIR SAGOLJ)

[北京 12日 ロイター] - 同性愛者の中国人学生が12日、教育省を相手取って訴訟を起こした。同性愛を精神障害と記述する教科書をめぐる訴訟で、中国でも同性愛者の権利向上の動きが出始めていることが浮き彫りになった。

中国では同性愛は違法ではなく、大都市の多くでは同性愛者は珍しい存在ではない。一方、結婚して子供を持つべきとの価値観も根強い。

かつて、同性愛は精神障害と分類されていたが、2001年以降はそうした扱いは公式にはなくなった。しかし、中国のゲイ・レズビアン・キャンパス連盟が2014年に行った調査によると、中国の大学はなお同性愛を「疾患」「障害」と記述している教科書を使用している。

今回訴えを起こしたのは、広州の中山大学でメディア学を専攻する21歳のQiu Baiさん。Qiuさんはロイターとのインタビューで、自らの性的指向について疑問を感じ始めた後、大学図書館に行って本を調べてみると、同性愛を病気扱いにしている記述に行き当たったと話す。

Qiuさんは2015年にも、中国の教育省や教科書の出版会社を相手取って同様の訴えを起こしているが、訴えは却下された。教育省はこの際、訴訟を取り下げれば内部の調停プロセスを通じて問題に対処することを約束していたが、その約束は果たされなかったという。

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