大宮vs柏、「駅周辺」が賑わっているのは? 「似ているようで差がある」2つの街を大比較

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ただし、新幹線や特急列車に関していえば、大宮と柏はまったく違う様相を見せる。

大宮駅は、東北新幹線系統、上越・北陸の各新幹線の全列車が停車し、東日本の新幹線にとっては関東北部のターミナル駅としての機能を果たしている。だが柏駅は、特急「ときわ」にも停車しない列車があり、「ひたち」は一部を除いて停車しない。その意味では、水戸・いわき方面に向けた拠点駅としての性格は持っていないのだ。

駅設備の面を見てみよう。大宮駅は、駅ビル「ルミネ」だけではなく、エキナカ「エキュート大宮」も充実している。一方、柏駅にはJR系列の大規模な商業施設はない。柏駅の「柏高島屋ステーションモール」は、東武野田線の駅の上に建設されている。

では、大宮(さいたま市)、そして柏市は、どんな街なのだろうか。

集積が進む大宮、中心が移動する柏

もともとのポテンシャルは高い柏駅。東口にはそごうがあるが、9月末で閉店する(筆者撮影)

さいたま市は人口122万人程度、その中で旧大宮市の住民は51万人程度である。一方、柏市の住民は42万人程度。人口では約9万人の差がある。

大宮駅の周辺は市内最大の繁華街としてにぎわっており、東口には多くの店が軒を連ねており、西口は巨大施設が多い。百貨店としては、東口に高島屋、西口にそごうがある。柏駅も西口に高島屋、東口にそごうがあり、この点は驚くほどよく似ている。

しかし、この9月30日をもってそごう柏店は閉店することになった。同店は周辺の商業施設との競争が厳しく、売上高はピーク時の約2割にまで落ち込んだ。駅近くの丸井は「モディ」へと改装中である。

また、柏駅付近の商業施設では書店の減少も目立つ。現在同駅付近にある書店は、駅に隣接したビル「スカイプラザ」内の浅野書店と駅近くの新星堂だけであり、後者は駅から少し離れている。新星堂も、かつては複数フロアあったがいまではワンフロアになってしまった。西口の高島屋内にも書店があったものの、今年2月に閉店した。

一方、大宮駅周辺では西口のそごう内に三省堂書店、東口高島屋内にジュンク堂書店、ルミネ内にブックファーストと、それなりの規模の書店がそろっている。

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