平和ボケ?韓国人は5度目の核実験に無関心 実験当日の人気検索語は「サムスン 採用」

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9月9日、ソウル市内で北朝鮮の核実験を報じるテレビを見つめる韓国の兵士や市民。しかし、このように関心を持つ層は多数派ではないようだ(写真:Kim Ju-sung/Yonhap via REUTERS)
当記事は「ソウル新聞」掲載記事の日本語訳です

北朝鮮が5回目の核実験を行った9月9日、韓国国民の大部分は、この事件に関心がなかったようだ。核実験を目前の脅威として感じることもなく、これといって動揺することもなく日常の生活を続けた。

5回にわたる北朝鮮の核実験で「学習効果」が生まれたのか。ただ、1950年の朝鮮戦争(〜53年)を経験した高齢者にとっては、北朝鮮の突発的な行動を深く心配する声を上げている。

有事を想定した「買い占め」は起きず

9日、ソウル中心部に近い麻浦(マポ)区にある大型ショッピングセンターは、旧盆(秋夕、チュソク)の大型連休を前に、大いに混み合っていた。1990年代半ばに北朝鮮の核問題が表面化して以降、これまで北朝鮮による軍事的な突発事態が生じると、有事を想定した「買い占め」が起きたことがある。このような時には、決まってラーメンなどのインスタント食品が品薄になることがあった。だが、この日のラーメン売り場にはまったく人がいなかった。

店内の客10人ほどに聞いてみると、8人は「北朝鮮の核実験は脅威ではない」と答えた。買い物に来た67歳の女性は「テレビを見ていなくて、北朝鮮が核実験をやったという事実さえ知らなかった。実感が湧かない」と述べた。ショッピングセンターの関係者は、「北朝鮮が核実験をやったからといって売り上げになんら影響を与えない」と断言した。

「北朝鮮の核実験」というニュースに、どことなく疲労感を感じているケースもあった。21歳の男子大学生は「わが国の領土を攻撃したわけでもなく、対外的に“見せつける”やり方の実験を不安に思う理由がない。なぜ休日が近づくと挑発を行うのかよくわからない」と答えた。

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