安いのに上がらない日本株が水準を変える日 いよいよ10日後に迫った日米金融イベント

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日米の金融イベント前で注目された欧州中央銀行(ECB)の政策委員会。追加緩和は見送られた(写真:ロイター/アフロ)

ジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演内容より、フィッシャー副議長の発言に反応したアメリカ株にあやかったわけでもないだろうが、先週木曜日の中曽宏日銀副総裁の都内で講演内容が話題となった。

次回の金融政策決定会合で行う過去3年半の金融緩和策の「総括的な検証」をテーマにした講演だった。中曽副総裁は、マイナス金利付きQQE(量的質的緩和)の効果と影響について「イールドカーブ低下には効果的で、政策ツールとしての有効性が確認できた」と評価した。一方で、「金融機関の収益低下等、経済活動に悪影響を及ぼす可能性には留意が必要」とも語り、だからと言って「マイナス金利の深掘りはできないということはない」。

ECBは金利を据え置いた

結局、9月会合での「総括的な検証」では「現在の政策の枠組みの修正」を否定しなかったものの、最後まで明確な答えを出さず、イールドカーブのスティープ化は匂わせたが、市場との対話は不完全に終わった。

日米の金融イベントの参考として注目されていた同じく木曜日のECB定例理事会では、金利は据え置かれた。事前予想では、日銀と同じく政策の手詰まり感を指摘されながらも追加緩和を実行するのではないかと言われていたが、不発だった。ドラギ総裁の会見でもサプライズは何もなく、FRBや日銀の動きを推測することは出来なかったが、意外に景気の底固さを感じさせた。

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