「ルンバ」から始まる超快適で便利な家の正体 人それぞれの思い通りに機能する時代が来る

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コリン・アングルCEOは、単なる掃除ロボットだった「ルンバ」を起点に壮大な未来を思い描く(撮影:尾形 文繁)

――ほかのモノとは?

(アイロボット製品の)床ふきロボット「ブラーバ」や、(今後市場投入を考えている)家のセキュリティ(見回り)ロボットといったものをはじめとして、電球だったり、スピーカーだったり、モーションセンサーといったものも含まれる。これらすべてがネットにつながる状態にあれば、それぞれのモノが家の中のどこにあるのかが地図上に示されるわけだ。

これが実現すると、家全体がロボットのようになる。家の“脳”になるのが、クラウド上にあるAIを駆使したコントロールシステムだ。家の中にあるモーションセンサーやセキュリティロボットで人がどこにいるか、「この人は今何をしているのか」を読み取り、情報をクラウドに上げる。それを基に家の中が最適な状態になるように、家電や電球などのコネクティッドデバイスに指示を出す。

ルンバが描いた地図は4600万平方メートル

――こうしたシステム全体をアイロボットが開発していくことになるのか。

いや、そうは考えていない。われわれの強みは、ロボティクスと地図描画(マッピング)、そしてナビゲーションの技術にある。実際にルンバが世界中で描いた地図は4600万平方メートルにもなる。これはまだまだ増える。

協業が重要になる。先ほど述べた“脳”になる部分をどの企業が手掛けることになるかはわからない。われわれかもしれないし、アマゾン、あるいはグーグルかもしれない。コンシューマーエレクトロニクスの大手のすべてと話している。

多くがこれまでスマートフォンやその周辺ビジネスに取り組んできたが、今はコネクティッドデバイスに取り組んでいる。ただ今後数年の課題についてきちんと分かっている企業は少ない。われわれがビジョンを示すことで、理解の一助にしてもらえればと思う。

――では近い将来新たにアイロボット自身が手掛ける製品は、どのようなものになるのか。

家の中を動き回るロボットだ。人と交流し、カメラを用いて見回る。セキュリティに使えるし、モバイルスピーカーにもなる。さらにリマインダー(備忘通知)や目覚まし機能も持たせられる。5年以内には販売できるようになるだろう。

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