ホンダ、儲からない「NSX」を復活させる理由

約10年ぶりの復活、スーパーカーの役目は?

八郷社長自ら「NSX」に乗って登場。「スポーツカーはホンダエンジニアの夢」と語った(撮影:尾形文繁)

ホンダが約10年ぶりにスーパースポーツカー「NSX」を復活させる。

NSXは「誰でもスムーズに操縦できるスポーツカー」をコンセプトに開発された車だ。1990年の発売以来人気を博し、国内累計販売台数7400台のうち8割が残存。根強いファンを抱える。

2017年2月に発売する新型NSXは初代をはるかに上回る超高級モデル。エンジンと三つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムで、高効率・高出力な走りを実現させた。価格は初代の3倍となる2370万円。寺谷公良日本本部長は「初代はサラリーマンも無理をすれば買えたが、新型は限られた富裕層しか手が出せない」と語る。

NSXはほとんど儲からない?

生産は米国の専用工場で行う。溶接は8台の溶接ロボットに任せるものの、熟練工の手作業による工程が大半を占める。塗装だけでも4日間、組み立ては1日半かけて手作業で行う。そのため1日の生産台数は8〜10台だ。

生産能力が限られていることもあり、初年度の販売計画は北米で800台、日本で100台にとどまる。発売後3年間での世界販売の目安も6000台とごくわずか。この規模では設備投資や莫大な開発費の回収は見込めない。実際、八郷隆弘社長も「収益面は苦しい」と明かす。

それでは、採算性を度外視してまで復活させる狙いは何か。一つは開発陣のモチベーションを高めることだ。

先代のNSXが生産を終了したのは2005年12月。販売低迷に追い打ちをかけたのが環境規制の強化である。開発を継続しても、投資を回収できる見込みは薄いため、ホンダは生産を断念した。

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