戦前並みの“排外主義者”にモノ申す これで東京オリンピックが来るわけない

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一方、国際派の日本人も確実に増加している

しかしながら一方、これと正反対の国際的な日本人も増えている。私の知っている日本の友人は極めて親切で礼儀正しく、外国人との交流を積極的に図っている人が大半だ。

私の来日時、講演に招かれて交流した日本の高校生は、非常に国際志向で日本と国際社会の絆を強めようという明るい希望にあふれていた。私の周囲にいる日本人でも、極端に排外的なことを言う人はおらず、真っ当な知識と視点と常識を持っている人は、日本の進むべき道が対外開放・国際交流の推進であることを知っている。

彼らは日本という国をよりよくし、海外から尊敬を受ける開かれた、魅力のある国にしようと、諸外国と協力しながら日々汗を流している。

私は日本に長年住み、友人も日本人が多く、日本のいいところも悪いところも海外各国と比較してよくわかっているつもりだ。大切な国がよりよい社会へと発展していってほしいからこそ、愛情をもって率直に申し上げさせていただいた。

これらヘイトスピーチ参加者が熱烈に支持しているのが、安倍首相であるだけに、首相の責任は重い。そして野蛮なヘイトスピーチ を放置することが海外からどう思われるか、親愛なる読者の皆様にぜひご一考願いたい。

「何々人を皆殺しにせよ!!」「ガス室に送れ!!」となどと叫び散らしながら首都を練り歩きつつ、世界平和祭典オリンピックを招致しようと頑張っている先進国は、日本しかないのだから。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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