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100万冊の電子本、“お目当て”との出会い方

【第3回】「お勧め」に着目せよ、宣伝は根っこから変わる

電子書籍の特徴の一つは、タイトルをいくらでも追加できることだ。一度電子化したタイトルは、大げさでなく未来永劫、在庫として置いておくことができる。ただし、いつでも買うことができることで、埋もれてしまうことにもなりがちだ。成毛氏は、電子書籍の「売り方」をどのように考えているのだろうか。

――電子書籍は一度電子化してしまえば、絶版もなく、紙の書籍のように重版のコストもかかりません。いわゆる「ロングテール」が可能になるという声もあります。

それは勘違いだね。確かに、電子書籍なら、古書店を回らないと手に入らないような絶版本でも、復刻版などが購入できるようになるかもしれない。ただし、それはあくまでも、本来の品ぞろえの「おまけ」の域を超えることはできない。1年間に数冊しか売れないニッチな本は、電子書籍にしたところで、ビジネスの柱にはならないのです。

現在、年間約7万点以上の新刊書籍が世の中に出ています。このすべてが電子書籍になるわけではないですが、毎年、相当数のタイトルが電子化されることになる。

一般の読者で、『新刊ニュース』や『新刊展望』といった情報誌などまでチェックしている人はよほどの本好きでしょう。出版社にとっては、自社の新刊本が「出た」ということすら読者に伝えるのが難しくなります。

――そうなると、プロモーションの方法なども検討する必要がありそうです。

リアルな書店の店頭なら、売れている本は高く積まれていて、手に取ってみようと感じさせることができますが、電子書籍はそういうわけにはいきません。逆に、電子書籍の場合、販売ランキングを出したところで、関心を持たない人も多い。

まずは読者が関心を持ちそうな本が「出た」ということをしっかりと伝えなければなりません。SNSなどの活用も効果的でしょう。

読者の記憶にとどめてもらうためには、告知の回数も大事です。紙の書籍をまず出し、しばらくたって電子書籍を出せば、SNSなどで最低2回プロモーションすることができる。これは一例ですが、読者がネットに接続できる環境にあるわけですから、それに適したプロモーションの手法を検討する必要があります。新聞の「三段八つ切り」や「六つ切り」の広告を楽しみにしているというような本好きも減っているでしょう。これまでのプロモーションの手法を一から考え直したほうがいいでしょう。

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