マイナス金利深掘り、収益配慮で避ける考えない=日銀副総裁

金融機関の収益に配慮

 9月8日、日銀の中曽宏副総裁は、都内で講演し、9月20━21日の金融政策決定会合で予定している過去3年半の政策検証に関する論点について述べた。写真は2015年4月、ロイターとのインタビューにおける同副総裁。日銀本店で撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 8日 ロイター] - 日銀の中曽宏副総裁は8日、都内で講演し、マイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)の推進に伴う金融機関収益への影響などをコストと位置づけながらも、金融機関収益に配慮してマイナス金利を深掘りしないとの考えはない、と語った。

これまでの大規模な金融緩和が金融機関や金融市場に与えている影響も十分に認識しているとも指摘した。

日銀が9月20、21日の金融政策決定会合で行う過去3年半の金融緩和策の「総括的な検証」をテーマに講演した。

中曽副総裁は、今年1月に導入を決めたマイナス金利付きQQEの効果と影響について「イールドカーブ全体に低下圧力を加えるという意味で、マイナス金利と長期国債の買い入れとの組み合わせは、きわめて強力だ」とし、「金融政策ツールとしての有効性が確認できた」と評価した。

一方で、貸出金利の低下などポジティブな動きは、「金融機関の収益を圧縮するかたちで実現している」と指摘。「長期金利や超長期金利の大幅な低下が、保険や年金の運用利回り低下や貯蓄性商品の販売停止」につながっているとし、「マインドという面で金融機能の持続性に対する不安をもたらし、経済活動に悪影響を及ぼす可能性には留意が必要」とも語った。

そのうえで、マイナス金利付きQQEの推進にあたり、金融仲介機能に与える影響への配慮が必要とする一方、「金融機関収益への影響を考えればマイナス金利の深掘りはできない、という一律の考えはとりえない」と強調。経済・物価・金融市場の状況によっては、「金融仲介の面へのコストを考えたうえでも、なおそうした手段を必要とすることは十分ありうる」と語った。

こうした問題意識の下で9月会合での「総括的な検証」では「現在の政策の枠組みに修正が必要か否か、必要な場合どのような修正が適切か、といった点について判断したい」と述べた。

副総裁は、QQE導入以降の大規模な金融緩和政策によって「デフレではない状況」となったと成果を強調。日銀が進めてきた「量的・質的緩和(QQE)」のような非伝統的金融政策も、景気を過熱も引き締めもしない自然利子率(中立金利)に対して実質金利を上げ下げして景気に働きかける仕組みであると解説し、QQEによる大幅な金利低下の効果を説明した。

*見出しを修正しました。

(伊藤純夫 竹本能文)

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