JX、エネルギー・金属資源開発へ巨額投資 “世界有数"企業狙い3年で4割増益の計画

拡大
縮小

そして金属部門への投資が2200億円。カセロネス開発のほか、ペルーのケチュア銅鉱山、チリ・アルゼンチンのフロンテラ銅鉱山の探鉱が中心。電材加工や環境リサイクル事業における海外拠点の拡大も見込んでいる。

事業環境の変動に応じた追加的な戦略投資案件については「+α」として検討するという。なお、第2次中計期間中の前提条件として、為替が1ドル=90円、原油価格(ドバイスポット)が1バレル=110ドル、銅価が1ポンド=360セントとしている。

発電拡大、太陽光など総合エネルギー企業への意欲も

こうした今回の第2次中期計画の目標については、かなり意欲的といえる。電力システム改革に対応した発電事業への拡大や、LNG事業、太陽光・燃料電池事業、リクシルとの提携を通じた家庭向けのエネルギー診断サービス強化など、総合エネルギー企業へ向けた意気込みも伺える。

ただ、在庫評価益を除いた実質ベースでの経常益4000億円以上という目標達成は決して容易ではないだろう。第1次中期計画中に油価や銅価の上昇による上流事業の収益力向上によって、3000億円規模の経常益が安定的に創出できたのは大きな成果。

第2次中期計画が始まった今後は、事業環境の不確実性が一段と増大する中で、大規模な投資継続によるリターンが本当にもくろみどおりに得られるかが目標達成のカギを握る。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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