「シェール革命」、大阪ガスが先手 来13年度には早くも利益貢献へ

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来期はこのピアソール・シェールガス・オイル開発プロジェクトによって米国でのガス、原油の生産販売が「収益均衡だった今期に比べて、利益貢献を強めてくる」(大阪ガス)ほか、活性炭などのケミカル、材料ソリューション事業や賃貸・分譲の都市開発事業も堅調が見込まれる。大阪ガスの連結グループ全体としては、増益となる計画を立てている。

豪州LNGや北米シェール向けなど膨らみ投資額最大に

大阪ガスはまた、来期は過去最大となる総額1820億円の設備投資計画も発表している。今期の投資額見込み1285億円に比べると、実に4割以上の増加となる。既存事業における品質向上投資は今期と同額の440億円となるが、新規事業の投資枠を今期の845億円から来期は1380億円へと6割強も拡大させる。

ここでも目玉となるのが、今期比でほぼ倍増の830億円となる海外投資だ。豪州のLNG開発プロジェクトである「ゴーゴン」「イクシス」に加えて、米国のピアソール向けの投資額が大きい。また、承認を待っているフリーポート向けも検討中案件としての投資枠に含まれている。

なお、大阪ガスは、海外のエネルギー事業について、上流権益だけでなく、発表済みのシンガポールでの産業用天然ガス販売のほか、「タイ進出も検討している」(大阪ガス)という。東南アジアでは、中下流分野への進出を、また欧州では、再生可能エネルギー事業の機会をうかがっていく方針だ。
 

水落 隆博 東洋経済 記者

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みずおち たかひろ / Takahiro Mizuochi

地銀、ノンバンク、リース業界などを担当

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