デキる人は「悠長に大学に行く」ことをしない 大学は「将来を選択」するための場だ

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それはユリさんに将来、就職できる可能性を高めてほしいからです。ここでも目的は大学に入学することではなく、その先の将来なのです。しかし、大学に入れば将来が保証されるわけでは決してありません。それは事実です。むしろ何の目的意識もなく4年間を過ごすのであれば、職業上、人生上の何かが保証されるわけでもありませんから、大学に行く必要などありません。

大学に行くことは誰にでもできるのです。行くことによって、本来の目的である「その先」を切り開けるか否かは、個々人次第です。ただし、その将来や、自分の人生にとっての正解は、誰かが授業などを通じて教えてくれるものではありませんから、そこは自分自身が主体的に探す必要があります。

人生の時間を無駄にせずに、やりたいことを探すための試行錯誤を繰り返せるのが大学生ならではの特典です。いろいろな分野の勉強をして、いろいろと挑戦をして、違うと思ったら方針転換をすればよいのです。それができるのが大学です。

大いに悩み、悩み抜かないと将来は見えてきません。今の時点で将来が見えないことは何も問題ではありません。大学の在学中に自分の将来を探せばよいのです。

大学に行くことで視野が開けるかどうか

そう考えると、大学とは今まで自分が触れてきていた以上の情報や世界に触れ、視野を広げ、その情報や視野の中で大いに悩み、自分なりの正解を見つけるための場所なのではないでしょうか。

したがって、ユリさんとして自分に問うべき質問は、「大学に行くか否か」ではなく、「大学に行くことで、現在よりも視野が開け、将来を選択する上でプラスとなるか否か」です。そういった位置づけで大学を定義し、行く・行かないをご判断されてはいかがでしょうか。

ユリさんが、将来を探るべく、まずは第一歩を踏み出されることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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