「がさつ力」こそが今を生き抜く最強スキルだ 空気なんて読んでもしゃあない!

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せっかちだと言われるけど、頭に浮かんだアイデアはすぐ実行したいし、仕事するならガッツリ稼ぎたい。遊ぶときは集中してドカンと遊びたい。そのためには、余計なことに時間を割いている暇はないんです。

それは人間関係においても同じ。人との付き合いというのは難しいもんで、新しく出会った人が自分にとって興味深い人間なのか、それともつまらない人間なのか、そう簡単には判断できません。

なぜ「リストラで人生終わり」と思うのか

かといって、出会う人みんなと打ち解けるのにいちいち手間暇かけていたら、時間がいくらあっても足りないわけです。ゆっくり探りを入れて、「この人は悪い人やろか、いやいや大丈夫かもしれん」とやっていたら、人生なんてあっという間に終わる。もし、僕の寿命が200歳くらいまであるのならのんびりやってもいいけど、たぶん頑張っても80歳くらいまでだから、そんな悠長なことはしてられないです。

だから、僕は自分が興味をもった人間に対しては、もうさっさと「打ち解けている感じ」を出してコミュニケーションをとります。相手の気持ちにズカズカ踏み込んでいく。そっちのほうが相手も本音で話しやすくなるから、その人がどういう人間か早くわかるし、深いところまで踏み込めるでしょ。それが自分の好奇心を早く満足させることにもなるわけです。

これはビジネスの現場でも同じではないかと思います。会社のブランドとか肩書きを飛び越えて、人間として深いところでわかり合う関係を築ければ強いと思うんですよ。そういう深い付き合いをしていないから、会社が潰れたりリストラにあうと、まるで人生が終わったかのようになってポキッと折れてしまうんです。

『がさつ力』には、ビジネスにも使える「千原せいじ流コミュニケーション」の極意が書かれている(上の書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

僕のがさつさは、半分は生まれつきの性格だけど、もう半分は意識的にやってるクセみたいなもんです。おかげで仕事も遊びもテンポよく進むし、人付き合いに余計なストレスを抱えることなく、すこやかに生きていられてます。

もちろん、僕のがさつさを嫌がる人もいるから、それについてはホンマに申し訳ない。残念ながら相性が良くないので、あまり関わらないのがお互いにとって一番いい、ということで一つよろしくお願い申し上げます。

日本社会で暮らしていると、常識とか世間体とか遠慮みたいな「暗黙のルール」がたくさんあります。ビジネスパーソンの皆さんも、上司の顔色を気にしたり、ストレスの多い生活をしている人が多いと思います。

でも、実はそういうルールって、守らなくても別に問題ないことも多かったりする。空気を読みすぎてストレスで死にそうになるより、あえてがさつに行動するくらいのほうが、今の世の中は生きやすいんじゃないでしょうか。空気なんて読んでも、ほんま意味ないで!

千原 せいじ 芸人

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ちはら せいじ / Seiji Chihara

1970年、京都府福知山市生まれ。1989年、弟・千原ジュニアとコンビ「千原兄弟」を結成。心斎橋筋2丁目劇場などで若者から支持を集め、1994年、ABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞、上方漫才大賞新人賞を受賞。『世界の村で発見! こんなところに日本人』(朝日放送)などでは、アフリカを中心に多くの国を訪れ、現地の人とすぐに打ち解ける姿が話題を呼ぶ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。

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