群雄割拠!ハロプロ「名古屋降臨」の衝撃度 シネコンでの定期公演に乗り出した理由

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東海地区の人気グループ「BOYS AND MEN」(ボイメン)もシネコンライブに参加している

服部社長に連絡をしてみたところ、彼の方でも「実は映画館の映画以外での活用を探っていたところで、次の映画館には映画以外のいろいろな映像素材も出せるような設備を準備している」との返事だった。

このシネコン・ライブには名古屋発の男性アイドルグループ「BOYS AND MEN」(ボイメン)も参加。「ボイメンワールド」と銘打つかたちで毎週水曜にボイメン正規メンバーのソロイベント、木曜には研究生によるライブと芝居が上演されるという。

そうなったのは、ちょうど羽雁氏がシネコン・ライブを思いついたころ、ボイメンが所属するフォーチュンエンターテイメントの谷口誠治社長と知り合い、意気投合したからだ。後日、事務所を訪ねて「シネコン独自のライブをやってみませんか」と持ち掛けたところ、谷口氏は「それって、日本初なんだよね?」という確認だけすると、その場で何をやろうかと中身について考え始めたそうだ。

「彼はめっちゃおもしろい人で『映画館でやるんだから映像をメインにしたものをやらなきゃ意味がない。週2、3回だったらできるかな』と言い出すんで、あ、この人やるんだって思いましたね(笑)」(羽雁氏)。

ハロプロ側も、名古屋の「テコ入れ策」が必要だった

一方のハロプロはどうだったか。羽雁氏はCBCの退職(2016年2月)を控えてこの事業を起こすにあたって、映画館の収益スキーム、チケットシステムなどを勉強して計算したところ、「自分の給料分くらいを稼ぐためには週2回のボイメンだけでは足りない」という結論に至った。

そこでCBCラジオに制作部長として出向していた際に親しい間柄だったアップフロントグループの瀬戸由紀男社長に話を持ち掛けた。「彼も、ちょうど名古屋の底上げをしたいと考えていたようで。ハロプロはイベント数が非常に多いのでスケジュール調整がた大変だけど、古くからの誼で快諾してくれた」と羽雁氏は顔をほころばす。

ハロプロは東京(秋葉原)、大阪(日本橋)、名古屋(大須)にグッズ販売などをするオフィシャルショップを展開している。売り上げは長らく東名阪の順だったが、スターダストプロモーションが名古屋地盤で運営する「チームしゃちほこ」の台頭もあってか、最近は大阪より名古屋の実績が下回りがちだったようだ。まさに「渡りに船」だったわけだ。

折よく愛知出身のモーニング娘。'16メンバー、牧野真莉愛の人気が上昇してきて、8月に出した写真集の売り上げも好調。彼女を中核に名古屋地区のテコ入れを図りたい事務所の思惑とも重なった。

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