秘伝「サプライズ上昇銘柄」の見つけ方 最新『会社四季報』の使い方、教えます

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出来高の急増した銘柄を丹念にチェックする

目ざとい勝ち組投資家がいま丹念に行っていることは、出来高の急増した銘柄を1つ1つ分析することです。『四季報』が発売されてから1カ月程度を集計して、株価が上昇した銘柄で、かつ、出来高が急増した銘柄を一覧にして、その要因が何であるかを『四季報』でチェックします。地道な作業ですが、この作業を通して、四季報にある「サプライズ」の内容が消化、すなわち、株価に織り込まれているのかが判明します。織り込まれている度合いによっては、再度の上昇、あるいは、再再度の上昇も期待できます。

また、忘れがちですが、ショックの織り込み度もチェックしておく必要があります。悪いニュースや材料、あるいは、『四季報』による今後の業績予想や、業績変化割合(このコラムで連載している矢印の向き、つまり「四季報矢印活用術」)、さらには、記事・コメント欄などがその手掛かりになります。

多くの投資家は、株価を上昇させる良い材料やニュースを探すことに躍起になっています。けれども、万一、今後顕在化する悪い材料があるなら、その「芽」の段階で、認識しておくことが重要なことです。

「よいことを探すよりも、悪いことに備えること」が、負けない投資では不可欠です。まずは、悪い材料を抜きだし作業を済ませて、いよいよ、良い材料の織り込み度を、意中の銘柄を中心に、分析することになります。『「四季報」のサプライズ」と「マーケットのサプライズ(反応)」をマッチングする作業が必要な時期が、いよいよ到来しました。

坂田 善種 ファイナンシャルプランナー 東洋大学講師

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さかた よしたね / Yoshitane Sakata

 中央大学法学部法律学科卒業、同大学商学部会計学科卒業、同大学大学院商学研究科博士課程前期修了(商学修士)。専門は、財務会計・企業評価。大学院在籍時より、大手金融機関の資産運用設計システムの開発業務に従事し、1994年、FP資格取得後、主に富裕層向けの長期・安定的な資産運用設計を行う。投資研究会「シンデレラ株式投資研究会」「シンデレラFX研究会」(ともに現在、定員満席にて新規会員の募集はなし)の主任講師。東洋経済新報社『オール投資』(現在、休刊中)では、「勝ち逃げ」株式投資法を好評連載。業績を重視した低位割安成長銘柄の発掘には定評がある。『会社四季報』の読者歴は、40年を超える。
 


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