米ホテル大手、ドバイ“臨時本社”の皮算用 スターウッド、幹部200人そっくり移転

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真の国際企業は世界中に本社を移すのも厭わない――。とはいえ、幹部スタッフを含めた本社機能を海の向こう、地球の裏側までそっくり移転するとなると、グローバル企業の中でもかなり異質だろう。

世界的なホテル大手、スターウッド ホテル&リゾート ワールドワイドが、3月5日から約1カ月間、本社を米国・コネチカット州から中東・アラブ首長国連邦のドバイ(写真はドバイの街並み)へ一時移転している。日本スターウッド・ホテルで代表取締役を務める橋本和宏・統括開発部長も、「同業、非同業を問わず、ほとんど例がないのではないか」と話す。

本社200人がそっくりドバイ移転、株主総会まで

スターウッドは世界100カ国で1100を超すホテルやリゾートを所有・運営し、特に高級ホテルカテゴリーでは世界首位。主要なホテルブランドには『ウェスティン(Westin)』『セントレジス(St. Regis)』『シェラトン(Sheraton)』などがある。前2012年12月期の売上高は63.2億ドル(前期比12.3%増)、営業利益9.1億ドル(同44.8%増)と業績は好調だ。

スターウッドがドバイで運営している「ウェスティン・ドバイミナセヤヒビーチリゾート&マリーナ」

今回のドバイへの本社機能移転に当たっては、経営トップ層から幹部まで約200人が米州、欧州、アジア、ラテンアメリカ等から集結し、現地オフィスで経営の指揮をとる。

スターウッドがドバイで運営するホテルは14件あり、単一都市ではニューヨーク市に次いで2番目の多さ。さらに6件のオープンを控えている。

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