日経平均は1万8000円から2万円を目指す 超強気派、武者陵司氏が大胆に予測

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行動を起こさないことは、円高デフレ容認に等しい

一連の金融緩和策には、一部の専門家やメディアからの批判が根強い。「金融緩和策が行き過ぎると出口が心配だ」といったように、金融緩和策に疑いの目を持っている。だが、いまさら疑っても仕方がないのだ。金融緩和をやるしかないのに、四の五の、といっている。

行動を起こさないということは、円高デフレを容認することに等しい。これは「対策なし」「傍観者的」「無責任」のそしりを免れない。

いまから約80年前、第2次世界大戦前の大恐慌の時はどうだったか。このときも、デフレで日本経済が疲弊していたとき、金本位制度をめぐって、大議論が展開されたが、高橋是清蔵相(当時)は金本位制度を放棄し、実質的な通貨切り下げに踏み切った。

ジャーナリスト出身で、のちに日銀総裁(第13代)となった深井英五氏も、実質的なリフレ政策をとった。そのため、当時の日本経済は、大恐慌後の傷が浅くて済み、いちはやく経済を建て直すことができた。逆に、当時、最も対策に遅れたのが米国だったのだ。

現代において、当時の金融政策をよく研究したのがバーナンキ米国FRB議長である。それに対して、白川方明日銀前総裁は、結果としてデフレを放置して、いまの事態を招いた。歴史を見てもわかるとおり、安倍晋三首相のアベノミクスは、歴史的に見れば遅すぎたくらいだ。よって、当然のように、いま日本株は出遅れを取り戻すときが来ている、ということだ(次回に続く)。

(撮影:梅谷 秀司)

福井 純 東洋経済 記者

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ふくい じゅん / Jun Fukui

「会社四季報オンライン」編集部長。『週刊東洋経済』編集部、『会社四季報プロ500』『株式ウイークリー』『オール投資』編集長、「東洋経済オンライン」編集部長、証券部長を経て現職。国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)、日本テクニカルアナリスト協会理事

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