「奴はできる」と評価される人の"言葉の選択" 「アピールする内容」を間違っていませんか?

拡大
縮小

調査報告をする場合には、実行した実際の成果はまだ出ていないので、なかなか伝えにくい場合もあるでしょう。でも、相手の期待を満たすように調査報告の切り口を変えて見せることで、成果として認識されやすくなります。

ここでも例をあげて説明しましょう。ある事業に参入するかどうかということを決めるための調査報告をするとしましょう。事業参入戦略というと、コンサルタントがよく使う、フレームワークでまとめて報告しようという考えが浮かぶかもしれません。たとえば3C(Company:自社、Customer:顧客、Competitor:競合)などで、調査した情報をまとめた報告もよく見かけますね。

しかし、調査報告を受ける相手は、必ずしも3Cを知りたいわけではありません。調査自体は3つの切り口で実施しているかもしれませんが、相手の期待に合わせて切り口を変えて見せたほうが成果を実感してもらいやすくなります。

この場合は「市場成長性」「競合優位性」という2つの切り口に変えるとよいでしょう。調査を依頼した相手は、「どれだけおいしい市場なのか?」「競合に勝てる見込みがあるのか?」ということに興味関心が高い可能性があるからです。こう考えている相手に対して、3Cの切り口でいくら説明しても調査のよさはぴんとは来ないでしょう。

フレームワークはあくまでも物事を整理するための枠で、それに情報を整理しただけでは「アウトプット」止まりです。相手にとっての意味づけをすることで「アウトカム」に近づくのです。

ビフォー・アフターを見せる

成果として最もインパクトを与えられるのは、ビフォー・アフターを見せることです。バックオフィス部門は定型業務なども多く、成果を見せにくい仕事も多くありますが、新しい役職や仕事についた場合には、自分が着任する前の状態について、しっかりと数値や文書で記録しておきましょう。

私はある部門の管理職に着任した当時、自部門のメンバーと関係する各部門の方々にアンケートをとりました。自部門の業務に対する満足度や、改善点などです。その後、自分が業務改善を実施した後に、同様のアンケートをとることで、ビフォー・アフターを確実に見せられるようにしました。

次ページ具体的な成果につながりにくい仕事はどうするのか
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT