ホンダ「アコード」の決断 ハイブリッド専用で日本に投入する狙い
米国で展開するガソリンエンジンのみを搭載するモデルは、日本国内向けには販売しない。エンジンとモーターを組み合わせて走るハイブリッド車(HV)と、充電により、時には電気自動車(EV)のようにも走れるHVであるプラグインハイブリッド車(PHV)のみとなる。実際、PHVは一般の需要が見込めないことから、自治体など特定顧客向けにごくわずかの販売にとどめる。つまり、一般への販売はほぼHVに絞り込むのだ。
新型アコードのHVは、新たに開発した2モーター式のハイブリッドシステムを採用。ブレーキを掛けたときの減速エネルギーを徹底的に回収・再利用することで、燃費は1リットル当たり29キロメートル程度と、ガソリンのコンパクトカー並みに高めた。
アコードはホンダの主力車種で、特に北米で人気が高く、世界的に見るとホンダの屋台骨を支えている。だが、車種の細分化が進んでいる日本では、消費者のニーズが多様化。セダンの需要は低迷し、アコードも例外ではない。1994年に7万台を超えたアコードの販売台数は、昨年2000台強とピークの3%程度の水準にまで落ち込んでしまっている。
HV専用でプレミアム感を持たせる戦略か
一方、日本ではトヨタの「プリウス」「アクア」が大ヒットしているように、既存の燃料インフラを使って燃費を伸ばせるHVの人気が高まっている。トヨタの「カムリ」や「クラウン」など、中大型セダンでもHV仕様は比較的健闘している。クラス最高燃費となるHVに絞って展開することで、プレミアム感を持たせ、ブランド価値を高めるのが、ホンダが国内向け新型「アコード」で採る戦略であろう。
なお、米国ではすでにアコードPHVを発売しており、HVも投入する予定だ。ただ、米国市場は割高なHVの人気は日本のようには高くなく、あくまでガソリンエンジン車が主軸となる。日本はあくまで特殊な市場。アコードに限って言えば、ホンダは日本で台数を追わない戦略に割り切るといえそうだ。
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