ギャルママが生み出したヒット商品の秘密 ニッチな市場には中小企業の商機がある

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お子さんの背面落下や前からのずれ落ち防止のため2つのベルトを内蔵するなど安全対策は万全

その一念で、安全対策を徹底しました。引張り強度では日本繊維製品品質技術センターで確認試験を実施。約200キログラムの重さに耐えられます(安全に配慮し商品の耐荷量は20キログラムまでです)。製造にもこだわり、カバンの産地・兵庫県豊岡市で、有名ブランドも手掛ける工場に依頼しました。子供を抱っこしても荷物がつぶれず、中身も素早く取り出せるよう工夫を重ねました。複雑な構造なので、職人がひとつずつ手作りで仕上げます。2014年10月、量産化が可能となり約2年かけての発売となりました。

消費者目線の商品づくり

この4月には過去最高の売り上げになったそう

お子さんの背面落下や前からのずれ落ち防止のため2つのベルトを内蔵するなど安全対策は万全です。価格は2万7600円(税別)とちょっと高めですが、子供が成長した後でもボディバッグとして使い続けられます。何より、よちよち歩きのお子さんと外出して「疲れた、抱っこ」と言われた時、イクメンパパには強い味方となります。その独自性から「東大阪ブランド」(東大阪市の製品の魅力を都市ブランドとして発信しようという市を挙げてのムーブメント)の中でも、他にはない「オンリーワン商品」に認定されました。

名前は「ダッコリーノ daccolino」と駄じゃれネーミングで大阪的ですが、デザインにも凝り、色もターコイズブルー、ネイビー、キャメルと多彩です。さらに、カモフラージュ柄も登場してママたちからの人気も急上昇。この4月には過去最高の売り上げになったそうです。

ギャルママ商品開発部で培った消費者目線の商品づくり、そしてモノづくりの町・東大阪の企業家魂が相まって完成したコダワリの変身バッグなのです。

竹原 信夫 日本一明るい経済新聞 編集長

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たけはら のぶお / Nobuo Takehara

有限会社産業情報化新聞社代表取締役(日本一明るい経済新聞編集長)。1971年3月、関西大学社会学部マスコミ学科卒、同年4月にフジサンケイグループの日本工業新聞社に入社。その後、大阪で中小企業担当、浜松支局記者などを経て、大阪で繊維、鉄鋼、化学、財界、金融などを担当。1990年4月大阪経済部次長(デスク)、1997年2月から2000年10月末まで大阪経済部長。2001年1月に独立、産業情報化新聞社代表に。年間約500人の中小企業経営者に取材、月刊紙・日本一明るい経済新聞を発行している。
 

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