イタリアのオープンカーは火傷するほど熱い 「アバルト124スパイダー」の魅力

拡大
縮小
アバルトのすべてのラインナップのデザインを統括するルーベン・ワインバーグさん。190cmを越す大柄な体格で、アバルト595コンペティツィオーネを操る“カーガイ”だ

──ベースとなったマツダ・ロードスターについては、どうお考えですか?

本当に素晴らしく個性的なデザインだと思います。ロードスターは日本の道路やドライバーの顔が思い浮かぶようなクルマで、ヨーロッパでは絶対に生み出せないものですね。今回の仕事はマツダ・ロードスターのような完成度の高いクルマといかに差別化できるかがポイントで、チャレンジのしがいがありました。

アバルト・124スパイダーは日伊のコラボレーションによる画期的なクルマですが、スタイルは完全にイタリアのオープンカーの文法に沿うものです。

とにかく火傷するくらいアツい

運転を第一に考えられたシンプルなコクピット。エアコンやナビゲーションなどの快適装備も備わっているのでご安心を

──「イタリアのオープンカーの文法」とはどういうものでしょうか?

クルマは歴史とともに存在するものです。例えばフェデリコ・フェリーニ監督の映画「甘い生活(ラ・ドルチェ・ヴィータ)」には、アルファロメオのジュリエッタ・スパイダーが出てきますが、本当に惚れ惚れするようなデザインですよね。様々な意味で“イタリアニティ”が強かった時代を表現しているクルマだと思います。

そうした過去の伝統は今にちゃんと繋がっていて、それはアバルト・124スパイダーも例外ではありません。イタリア人は総じておしゃべりですが、クルマも人と同じようにたくさん話しかけてくれるんです。大衆車でさえそうなのですから、オープンカーはその感覚がより濃厚になります。とにかく火傷するくらいアツい、それがイタリアのオープンカーの文法なのです。

──アバルトのデザイン哲学とは?

アバルトというブランドは、創立者のカルロ・アバルトの情熱から生まれたものです。サソリのマークはカルロの星座で、ゆえにアバルトは毒々しくなければなりません。

(1)圧倒的なパフォーマンス、(2)クラフトマンシップ、(3)技術の優位性の3つがアバルトの哲学で、それを普通の人の手の届く価格で提供するのもカルロから受け継がれた哲学です。

次ページ6歳の頃からクルマの絵を描いていた
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT