資生堂は”負の遺産”を清算できるのか?

前田会長が社長を兼務する異例人事の背景は

資生堂のトップ交代が波紋を呼んでいる。就任からわずか2年で退任する末川久幸社長は「自らの健康問題が理由」と説明するが、背景にあるのは業績の低迷だ。

近年、資生堂の業績は競合他社にも増して厳しい局面にある。国内売上高が減退し続ける中、2012年4月にはネットを介した専門店チャネルの活性化策を打ち出したが、想定した成果を出せていない。成長を牽引してきた中国事業も反日デモの影響で失速。今期は四半期決算の発表ごとに業績予想の減額を繰り返し、証券市場の信認を失っていった。

危機感を覚えたのは、創業家で元社長の福原義春名誉会長だ。10月に資生堂の株価が10年ぶりに1000円を割り込んだ際、「福原氏が、経営陣を集め『このままで大丈夫なのか』と問う場面があった」(資生堂関係者)。関係者によれば、通常、経営に口を挟まない福原氏が以後、節々で発言を行ったという。

取締役会でも、配当性向が3年連続で100%を超える事態の是正や10年に買収した米国ベアエッセンシャル社ののれんの早期減損の必要性を指摘する声があった。ベア社の業績への貢献度はいまだ低いうえ、のれんは約800億円残る。尽きない悩みと各所からのプレッシャーに、末川氏は周囲に「なかなか眠れない」と漏らしていたという。

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