「広告宣伝費を削った63社」ランキング

パナ、任天堂、ニッセンなど不振反映

大阪府門真市にあるパナソニック本社(撮影:梅谷 秀司)

多くの企業にとって広告宣伝は、自社の商品やサービス、ブランドを世に訴えていくうえで必要な活動だ。業績が良かったり、成長を狙ったりするときには広告宣伝費を思い切って投下するケースも少なくない。

東洋経済オンラインはそんな企業を調べ、「最新!『広告宣伝費』を増やしたトップ200社」として8月25日に配信したが、今回はこの5年間で広告宣伝費を減らした会社のランキングを紹介しよう。安倍政権が発足する直前と比較することで、アベノミクスの恩恵をあまり受けられなかった企業ということになる。

2012年以降は、業績が好転した会社が多く、広告宣伝費を削減した会社は少なかった。この5年間は広告を出してもらう立場の広告代理店やテレビ局にとっても、追い風が吹いていたことが読み取れる。

本ランキングの1位はパナソニック。5年前と比べて、広告宣伝費を337億円(減少率24%)削減した。とはいえ、広告宣伝費を含めたコスト削減効果もあり、2012年3月期は当期純損益で7722億円の赤字だったところから、2016年3月期は1933億円の黒字に改善した。実はパナソニックの広告宣伝費は、5年前との比較では337億円の削減幅になるが、前年2015年3月期(982億円)と比較すると60億円ほど増加させていて、ここにも業績の改善がみられる。

ランキングの2位は、スマホゲーム「ポケモンGO」のヒットで注目を集める任天堂。円安効果にもかかわらず、主力のゲーム機やソフトの販売は伸びていない。携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」シリーズの大ヒットで躍進したが、家庭用ゲーム機「WiiU」の不振にあえぐ状況を反映しているといえそうだ。この5年で、広告宣伝費は279億円(同37%)削減した。

ランキング4位は、カタログ通販大手のニッセンホールディングス。削減額は114億円で、減少率では47%になる。カタログ通販は依然として苦戦が続いており、当期純損益でみれば、ここ3年は赤字が続く。年々赤字幅も拡大していて、2016年3月期の売上は1573億円に対して、当期純損益は133億円の赤字になっている。2014年にセブン&アイホールディングスの連結子会社となり、8月2日には完全子会社となることが発表された。セブン&アイホールディングスが主導して、経営再建を急いでいる。

業績苦戦だけが宣伝費減の理由でもない

一方で、広告宣伝費は戦略商品の投下の有無などにより、年度で多少変動することもあり、5年前との比較で減らしているからといって、業績が苦戦していると一言で片付けられないこともある。

本ランキングは、直近(2015年5月期~2016年4月期)と5年前(2011年5月期~2012年4月期)の有価証券報告書で広告宣伝費の開示があった企業を対象としている。広告宣伝費と販売促進費が分けられない場合は合算値を用いて算出した。業種は一般会社のみとした。この5年間に会計基準を変更した場合も、基本的にはそのまま対象としているが、明らかに開示範囲が変わったと判断できる場合は対象から除いた。調査対象は782社で本ランキングには63社を掲載した。5億円未満の削減企業は、減少率が50%以上のみとした。

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