南武線で失くしたスマホが海外にあったワケ なぜジャカルタの車両基地で見つかったのか

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日本からの譲渡車両が並ぶKCJのデポック電車区(筆者撮影)

日本の電車に忘れてしまったスマートフォンと学生証をインドネシアの首都ジャカルタで発見者本人から受け取る――。鉄道好きならずとも、思わずホロリとさせられるシーンが、この7月27日にあった。

「去年の暮れ、JR南武線の始発電車での移動中、寝ぼけててスマートフォンを車内で落としちゃったんです。駅とかJRの忘れ物センターとかに確認しても見つからなくて……。ところが年が明けて間もなく、僕あてに突然、インドネシアから”スマホと学生証を預かっている”ってFacebookに英語のメッセージが届きました。いったいどうしてインドネシアへ僕のスマホが届いたんだろう、とワケがわかりませんでした」

横浜市内の大学に通う、野田翔太さんはスマホ紛失から発見の通知までの経緯をこう語る。では、どうして翔太さんのスマホがインドネシアに行ってしまったのだろうか。

205系は大挙してジャカルタへ

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JR南武線には今年1月まで、「205系」と呼ばれる電車が走っていた。うち、120両(8両編成×15本)はインドネシアの首都近郊を走る「ジャカルタ首都圏鉄道会社(PT.KCJ)」に有償で譲渡された。

JR南武線からKCJに渡った最後の編成には「南武線→海外譲渡」というプレートが先頭に付けられていたほか、同編成の運行最終日となった12月6日には、「この電車は本日をもって南武線の営業運転から引退し、今後はジャカルタに渡り、走り続けることとなります。電車をお降りの際は、お忘れ物のございませんように、また、この電車との思い出もお持ち帰り頂けたら……」との車掌のアナウンスが終日にわたって流れた。その後、このエピソードはネット上でもずいぶん話題になった。そのエピソードは本連載でも紹介した(ジャカルタで大活躍の「205系」に乗ってみた)。

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