エイベックス「ヤンキー兄ちゃん支援」のワケ 松浦社長が考えるヒット創出の処方箋

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松浦:それはあまり考えていません。うまくいった例がないですし、ちょっと違うなっていうのが、思いとしてある。うまく言えませんが、人種的なものとか、いろいろとあると思うんです。だから難しい。

山田:アメリカでは地元の会社を買収するのではなく、1から作っていくことになりますか。

松浦:うーん、それはそのときによりますね。マッチする会社があれば買収することもありえるかもしれない。でも今回、一緒にやるのがリチャード・ブラッドストーンという業界に幅広い顔を持つ人物で、僕らも何十年も前からの付き合い。そのコネクションからいろいろな話が来るとは思いますが、ケースバイケースで決めていきたい。最初から、どこかを買おうという話ではないです。

多くの劇場が集まる場所を作れば活性化する

ラスベガスにはカジノだけでなく多くの劇場がある(写真:Shinyblue / PIXTA)

山田:ロサンゼルスからちょっと内陸に入ったラスベガスには、また違う大規模なライブエンターテインメントがあります。日本には「劇団四季」がありますが、日本発で総合芸術のようなものを生み出すことができるといいように思いませんか。

松浦:そのようなものは、昔考えたことがあるんですが、なかなか難しい。まず場所の問題ですよね。だって、そういう劇場が1つだけあってもしょうがないじゃないですか。IR(統合リゾート)ができるとしたらそこに劇場を作る、という話もありますが、そもそもカジノ法案自体が延び延びですよね。カジノの話題が盛り上がるたびに、いつもその話は議論にはなります。当然、専用劇場があればいいし、毎日アーティストがレベルの高いショーをするのは有望だと思うんです。

以前、Blue Man Groupというニューヨークで流行ってるミュージカルを日本に持ってきて、日本では初めてBlue Man Groupしかやらない専用劇場を六本木に作って公演も行ったんです。でも、Blue Man Group劇場1つだけでは駄目なんです。そういう劇場がいくつも並んでいるっていう空間を作らなければ街は活性化しません。東京に民間だけで作るのはちょっと難しい。国がなんらかの支援をするとか、IRに乗っかる以外は、難しい。文化の下地も日本にはないですからね。

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